第55話

 彼が住んでいたへやのドアには、既に「空室 入居者募集中」の札が付けられ…彼は、行先も報せず、転居していた……。


 無論―携帯電話も、全く通じなくなっており…彼の消息は、一切途絶えた……。


 矢張…小雪の母親が、量大の父親に対して、強引な申入もうしいれをした事で―量大は店を閉め、彼の親族に引越させられたのだろうか…?


 小雪は、その場にくずおれ―嗚咽するより他無かった……。



「チェリーくん?

 可愛いねェ…♪」


「…っあっ…!?」


「パパから聞いたけど…


 所詮、素人娘じゃ…

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