第19話

 大丈夫だ…

 今だけでいい、信じろ……!?」


「……


 のっ…

 覗かないでよっ…!?」


「…先刻さっき、見ただろ…?

 もう、見ねェよ……(嘆息)」


 量大は、小雪を肩車し…横転で圧縮された車輛の窓枠に、彼女を届ける。


「フッ…

 それだけ噛み付けりゃ、助かるって…?


 早く…レスキューの所、行けよ…!?」


 彼は、彼女の臀を押し上げ…窓の外の車体に、立たせる―


「ビビんなよ!?


 その儘…

 行けェ―…ッ!?」


 量大の力強い声に押されて、小雪は跳んだ…


 救助マットの上に、沈む彼女……

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