第34話

 その結果―全ての罪状は、悠庵の所業に捏造され…行われた吟味も、出鱈目ばかりで終わった……。


 無論、悠庵は―苛烈な拷問を受け続け…口が利けなくなって仕舞っても―一切を認めなかった。


 だが、口を封じられたにも等しい彼は―引き出された白洲しらすで、一方的に裁きを申し渡され―満身創痍で、市中を引き回され…民草たみくさの憎悪に、嬲られるしか無かったのだ…


 その時―既に、悠庵の右腕は欠け、左脚は萎えて仕舞っていた……。


めて下さい!?


 この方は、無実です!

 無実なんです!!


 止めて―…!」

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