信ずる青年、敬う娘

第19話

「…結局…

 見立て通りだったんだよなぁ……悠庵医師せんせいの(汗)」

「さえ医師せんせいとの息も、絶妙だったし…

 六年の空白なんて、信じられない……(汗)」


 さえの助手の医師達が、すっかり敬服したが如く―天才名医・川上悠庵の名声たるや、市井では鰻上り…療養所には連日、患者が押し寄せて来る……


「さえ…

 この本の、四十八頁…

 調合を三割減で、処方してくれ……


 どうぞ、御大事に」


「…縫合終わり。

 さえ…

 塩梅はどうだ?」

「はい、完璧です」

「よし…包帯を巻いてくれ」

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