秘密で隠れた、真実―花音と奏逸朗―

第72話

「…全治一ヶ月で、後遺症もなさそうだって…?


 楽団には、ちゃんと届けといたから」


「…………」


 病院で治療を受けた奏逸朗は、一先、花音の賃貸アパートに落ち着いた。


 白い包帯を巻かれた両手を、無言でジッと見詰める彼…


 花音は、に涙を光らせて、穏やかに口を開いた……


「少年審判は、非公開だし…

 私は、何も知ろうとしなかったけど…


 この前、初めて知ったわ…?

 あなたの事…!」


「―!」



「はい、綾波警察署です」


「…の、ままじゃ…

 死んじゃうよ…!?


 たすけて…!?」

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