第54話

 クラシック音楽を愛好する彼等は、彼の未知数の可能性を信じ―彼の身元を引き受けたばかりか…彼を養子として、周家に迎え入れた。


 その際に、養父は―この少年が、音楽で大成する様にと願い―彼に「奏逸朗」という、新たな名前を贈ってくれた…新しい、コントラバスと共に。



 奏逸朗は、周夫妻の深い愛情に育まれた。


 二人と共に生活くらす、この「家庭」で―温かい飲み物を入れたカップのソーサーを持ち、洋菓子を「可愛い」と云って微笑む彼が、新たに生まれたのだ……。


 そして、夫妻が信じた以上に―奏逸朗は、音楽的才能を開花させた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る