第40話

 初任給なので、金額は少ないと存じますが、来月からは一定額を、お支払い出来るかと存じております。

 あなたの受けた、あらゆる苦しみが、こんなお金で贖える程度の物とは、考えてはおりません。

 許して戴けるならば、直接伺って、あなたに謝罪をしたいと、考えております。

 私に出来得る贖罪を、一生涯続けて行く事だけが、今の私の人生であると、覚悟しております。

 あなたに取っては、忘れたい名前に違いありませんが、敢えて、手紙を書かせて戴いた次第です。

 係る全ての非礼、どうか、ご容赦下さい。


 東 惣一郎〟

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