九年後…眷遇

第25話

 あの非情な地の底からの、謎めいた生還から…月日ときは流れて……

 瓊一と詩織は、27歳になった……。



 非現実から、現実へ―


 戻って来た、陽の当たる場所での生活くらし…それは彼等に取って、決して甘い物では無かった……。


 彼等の予想に反して、理解を示してくれた―周囲の庇護も在って、結婚だけは叶ったものの…育児を含め―親族の援助は、望める筈もない……。


 二人は、其々の高校を退学し―同じ通信制高校に、編入学した。

 瓊一は、調理師見習として、料理店レストランに就職した。

 詩織は懸命に家事を覚え、子育てを学んで行く。

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