潔癖症、モンスターに触りたくなくて無双する。
青間ノヅル
第1話 謝罪から始まる異世界転生
今まで幾多の異世界転生系の小説を読んできた俺だが、どうしてこういった世界線の女神は浮世離れしたおっちょこちょいが多いのだろうか。
真っ白な世界。
ぽつんと置かれた無機質なカウンター越しに、俺と女神は対峙していた。
「大変申し訳ございません、転生先の世界はすでに魔王が倒されておりまして……こちらのミスです、大変申し訳ございません」
「ああ、いや……大丈夫です、別に俺、戦いたい訳でもないですし」
「ミスはミスですので、あの……大変申し訳ございません……あの私、新人の女神でして、これが初めてで……な、何か付与したいスキルなどございましたら」
「しんじ……え?」
「大変申し訳ございません……」
ぺこぺこ頭を下げる女神。
女神に新人とかあるのか。どおりで大変申し訳ございませんを連発しているわけだ。被害者ながら、あまりの謝罪オーラに慰めたくなる。
「…………」
「う、ううっ……ま、まことに大変申し訳ございません……」
泣き出しちゃったよ。
なんかこう、もう少し女神って年上のお姉さん感なかったっけ。
「ま、まあその、次からはって感じで……」
「ですが一人の人生を棒に振ってしまったと考えるともうっ……」
女神向いてないんじゃないですかね。
涙目で俺を見つめる女神。
なまじ目鼻立ちが整っているだけに、眼力がすさまじい。何もしてないのに罪悪感が生まれる。なにこれどんな拷問だよ。
と、目の前の景色が突然揺らぎはじめた。どうやら時間が来たみたいだ。
女神が申し訳なさそうにスキルだとかなんとか喋っているが、途切れ途切れにしか聞こえない。
さらに強さを増したまばゆい光に身体が包まれていく。
俺はこれから本当に転生する、らしい。
しかも魔王が倒されたあとのド平和異世界。
いやマジで、どうしよう。何すりゃいいんだよ。
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