第8話 これこそがラビット学園のちからだ
「5回の表、ラビット学園の攻撃は、8番、キャッチャー、
カーブ、スライダー、ストレート、ストレート、と
2ボールと2ストライクまで追い込まれたあと、
次の球はスライダー。
しかし、バットはボールを空振ってしまった
空振り三振で、1アウトとなった。
「9番、ピッチャー、
こちらは、フォーク、カーブと1ボール1ストライクになったあと、
次のカーブを打ちに行った。
ボールは二遊間を抜けて、ヒットとなった。
そういえば、テレビで見てる中では気付かなかったが、
ラビット学園の誰かがヒットを打つと、ベンチの中で
とても活気が湧いているように見えた。
「おっしゃ、このヒット大切にしていくぞ〜」
次のバッター、
「1番、ショート、白戸君。」
確かに、観客から見てもわかるほどやる気に満ち溢れていた。
初球のスライダーをさっそく打ちに行った。
そして、ボールは一二間を抜けて、ヒットとなった。
1アウト、一二塁。
「2番、セカンド、
こちらも初球のスライダーをさっそく打ちに行った。
そして、ボールは二遊間を抜けて、ヒットとなった。
1アウト、満塁。ラビット学園にチャンスが回ってきた。
「3番、レフト、
初球のストレートを見逃した。そして、次のフォークも見逃した。
その次のボールはカーブだった。
カッキーン
バットは、ボールの真芯に当たり、
外野の左中間にボールが落ちる。
三塁走者、そして二塁走者は本塁へ帰る。
打者は、二塁で立ち止まる。
そして、一塁走者は本塁へ向かう。
ボールも、センターからセカンドへ、そして本塁へ投げられる。タッチは...
セーフ。
タイムリーツーベースでラビット学園に3点、追加点が入った。
1アウト、二塁。
「4番、ファースト、グッドマン君。」
こちらも、初球のカーブを打ちにいった。
カッキーン
これもバットは、ボールの真芯に当たった。
相手チームのセンターは下がって、ボールを取ろうとするが...
フェンスを越え、ホームランとなった。
ラビット学園、春の甲子園予選で初のホームラン。
さらにラビット学園に2点の追加点が入った。
「すげー。これは、すごい。これが噂の連打ってやつか。」
「え、なにそれ?」
父の言葉に僕は反応する。
「ラビット学園の強みは、この連打にあるらしいぞ。
ラビット学園の誰かがヒットを打つと、それを機に、
どんどんヒットが出せるらしい。」
「へ〜。そうなんや。たしかに、今までの得点の取り方も連打で、
みたいなものが多いな〜。なにか秘密があるのかな?」
「モチベってやつじゃない?」
母がそう答えた。
「そう?」
「せっかくやったら、野球部に入ってみれば?わかるかもよ?」
「たしかに。」
そうしゃべっていたら、次のバッターが出てきた。
「5番、ライト、
カーブ、ストレートを見逃して、2ボールノーストライク。
そして、次の球、スライダーがストライクゾーンに入ったため、打ちに行った。
ボールは一二間を抜けて、ヒットとなった。
1アウト、一塁。
「6番、サード、
こちらは初球のカーブを打ちに行った。
これも、ボールは一二間を抜けて、ヒットとなった。
1アウト、一二塁。
またまた、ラビット学園にチャンスが回る。
「7番、センター、
こちらも初球のカーブを打ちに行った。
しかし、ボールを打ち上げてしまい、相手のセカンドが取って、
2アウト、一二塁。
「8番、キャッチャー、籾井君。」
こちらは初球のフォークを打ちに行ったが、ゴロとなってしまった。
これを相手のセカンドが対応し、二ゴロとなった。
3アウトチェンジ。
「すごいな〜、この回だけで、ヒットが7本も出たぞ。」
ずっと夢中になっている父が言っていた。
「5回の裏、申立高校の攻撃は、8番、キャッチャー…君。」
初球のスライダーはファールとなり、次のストレートを見逃した後、
次のフォークを打ちに行った。
ボールはゴロとなり、鳥羽(ピッチャー)が対応して、
ピッチャーゴロで1アウトとなった。
「あれ、あんまり、スライダー曲がらなくなったな。」
「そうやね。ストレートとかも時速のやつを見てたら、遅くなってる。」
「もう、2回からずっと投げてるから、疲れてるかもな。」
父と僕は会話しながら、観戦も楽しんだ。
「9番、ピッチャー…君。」
こちらは初球のフォークを打ちに行った。
これもボールはゴロとなり、白戸(ショート)が対応して、
遊ゴロで2アウトとなった。
ラビット学園の勝ち、3アウトまで、あと、アウト1つだ
「1番、サード…君。」
フォーク、ストレートと2ストライクになったあと、
次のフォークを打ちに行った。 ボールは...
二遊間を抜けて、ヒットとなった。2アウト一塁
「2番、セカンド…君。」
こちらは、初球のスライダーを打ちに行った。 ボールは...
外野まで飛んでいったが、赤井(ライト)がボールをノーバンで捕り、
右フライで3アウト、ゲームセットとなった。
「ご覧のように、6対1で、ラビット学園が勝ちました。」
放送でも、そう流れ、観客席の方でもかなり盛り上がっていた。
得点掲示板を見てみると、このようになっていた。
チーム名 1 2 3 4 5 R H
ラビット 1 0 0 0 5 6 11
申立 0 1 0 0 0 1 5
「結局、ラビット学園が勝ったな〜」
「ちょっと危なかったけど、僕は勝てるって信じてたから。」
そうしゃべりながら、球場を後にする。
「本日のご来場、まことにありがとうございました。」
少なくとも、今日は、
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