真っ直ぐなマドンナよりちょっと歪んだ子がイイ
のり塩
第1話 さいてーな会話
男子高校生諸君、いや男性諸君の皆なら一度は話した事のある話題。やけに盛り上がるし絆も深まる話。それは…
女子の事を上から目線で顔やら何やらをああだのこうだの言い合うカスみたいな議論のことだ。
高校1年生も終わり、新しい春が来て多くの出会いや出来事も訪れる年。高校2年生、みんな高校生活にも慣れて後輩が入ってくるし、先輩とも仲が深まる年。
俺には後輩先輩などの上下関係とは無関係だけど。そうして始まった高校2年は俺にとって大きな転換期になることはまだ俺、
「楓、このクラスは大当たりかも」
「わかる。どこ見ても可愛い女子が視界に入ってくる。それだけで最高」
交友関係は別に広くない、1年の時に仲良かった人と1年の間だけやってた部活の奴くらい。こいつは部活で特に仲の良かった
「成瀬も思うよな、当たりクラスだわ。俺は杉原
「そうそう、よろしく健二」
「俺は1年の時から話題だったマドンナ、
あの子が可愛い、あの子は微妙。胸がでかい、いや貧乳がいい。などなどそういうくだらない話が1番仲の深まる。思い思いに感想を述べて言ってだいたいクラスの女子を見終わった。
「楓は誰が1番?何基準でもいいけど」
「いやムズいな。でも1番ヤリたいなら中野さんだな。顔、体型とか1番タイプの人だわ」
「わかるぞ。確かにな、圭は?」
「まあ、1番可愛いなら村瀬さんかな。ウルフで前髪重い感じとかダルそうにしてるのがタイプ」
もう一度周りを見渡して女子を見ていると中野さんと目が合ってサッと目線を外した。別に聞こえてないだろうけど、ちょっとした罪悪感から目線を外してしまった。
セミロングくらいの長さで顔周りに髪が掛かってて可愛い雰囲気が出ている、総評ならやっぱ俺的にトップだな。
茅野さんや村瀬さんも見ると数人の友達と話してたり、いや村瀬さんはダルそうにスマホを見ている。それに黒マスクであんまり顔がどうか分からない。
「まあ、圭の言いたいこと分かるけど俺はなしだわ。ヤるなら大ありだけど」
「うわ、黒崎ってそういう感じね。結構言う感じなんやな」
「ほぼ初対面にそれ言う健二も結構言うタイプだろうよ」
それがなんか面白くて笑い合って軽く握手を交わす。圭はなんか困惑しながらそれを見ていた。
「まあ女子はいいとして、健二と楓って関わりあったっけ?」
「いやないない。俺は黒崎の存在自体は知ってたけど」
「俺は健二自体知らない。てかなんで俺を知ってんのって感じだわ」
「いや普通にその長髪?ロン毛は目立つだろうよ。あと背がでけえ」
「あーね。伸ばしたはいいけど管理も面倒になってきた。最近はもっぱら結んでるから楽だけどな」
「その前髪から全部結ぶのちょっと厳ついぜ?男の俺から見てもな」
「へー、2人ともなれるの早いね。僕は正直、新しいクラスで友達できるかとか不安だったけど」
「まあ大丈夫だろうよ、異性ならともかく男なら普通にやっていけるって。なあ黒崎?」
「大丈夫大丈夫、ちょっと時間が経てばもっと空気も和むだろ」
クラスには俺達みたいに話してる人もいるけど、結構ぎこちなかったり1人でいたりして空気が緊張してる。俺としては変なのって感じだ。
「そういえばこの時間ってなんなん?自己紹介とか終わってからぼちぼち時間経つけど」
「本来なら担任挨拶とかして自己紹介とかする時間なはずなんだけど、担任の先生どっかいっちゃったし」
「
「へえー、あの先生とか校内でチラッと見たくらいだから全然知らねえわ」
そんな事を話しながら適当に時間を過ごしていると担任の戸田先生がダンボールを抱えて帰ってくる。
「よし、自分の席つけよー。さっき自己紹介した時に話したけど担任の戸田
みんな軽く拍手して戸田先生の話を聞く。
「僕は基本放任主義だから僕が何か言わなきゃいけないとか手を加えないといけないこととかはしないでくれよ?ルールを逸脱しなきゃいちいち指導するなんて事しないからな」
「でも進路の事とか悩み事とか、どんな事でも困ったら僕に言ってくれればしっかり時間も作るし対応するからな」
かなりおおらかな先生にはあまり居ないタイプの先生みたいだ。多分さっきの時間は生徒達自身で打ち解けて欲しいみたいな感じなのか?
「それじゃ大学関係の冊子とか学級通信とかを回すから軽く目を通しておいてね。もうこの時間は自由って事にするから好きにしていいぞ。なんか聞きたい事とかあれば僕のところに来るように」
なんだかよく分からない先生だなと思えてならない。先生って職業の人間はもっと理屈的でなんだか支配してくる様なイメージが強いんだけどな。
「変な顔してるぞ、黒崎。どした?」
「いや、戸田先生が知らんタイプの先生すぎて若干戸惑ってたわ」
「あーそうかもね。先生にしては授業もちょっと他と違う感じだし、変に感じるのは分かるかも」
「ふーん」
なんだか面白そうなクラスだな、そう思いながら1日が終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます