第14話
「お前、ホント細かいな。経理課の門番の異名は伊達じゃないよな。」
「そんな異名認めてない!
ミス見つけてあげてるんだから感謝してよね、もう!」
藤沢は経理課の中では一番年下で、デスクも一番執務室の入り口に近いことと、
伝票のチェックが細かく各課が出してきた伝票はほとんど藤沢のところでミスが見つかって返ってくることから
【経理課の門番】なんて呼ばれてる。
そんな門番様が、あ、と何かに気づいた様子で…
またかよ〜っ!ちゃんと直しただろ?って流石にガックリ。
「請求書に日付入ってないんですけど。」
「…え?!まじで?」
身を乗り出して確認すれば、たしかに。
「付箋貼ってたでしょー?」
指摘された付箋を外したのは覚えているけど確かに記入しなかった。
「あーもう、俺こういう事務的業務って苦手なんだよな〜。
外でて頭下げてる方が得意なんだよ!
長所伸ばすタイプなんだよ!」
反省はしてるんだよ?本当に。
でも、好きな子に何回も注意されて、流石にちょっと凹むでしょ。
言い訳くらいさせてくれ。
「だから、円華に頼めばいいでしょ?
そのために営業一課にも庶務担当いるんだから。」
確かに…他の同僚はほとんど今井に頼んでるけど…
俺も本当に忙しい時は頼むこともあるけどさ…
俺が持ってきたらダメなわけ?
藤沢的にうざいのか?
うざいか!いつもやってる今井の方がミスなく伝票出すに決まってるもんな……
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