第4話
私の腰に跨り、上半身のシャツを脱いだ要は、可愛い顔に似合わない六つに割れた腹筋を露出する。
薄暗の部屋で彼のその姿を目にするだけで条件反射のように濡れてしまう自分に嫌気が刺すんだ。
私はただの幼馴染で彼女じゃない。
こんなの間違っているし、自分が特別だなんて勘違いをしてはいけない。
それなのに…
「他の女なんて、抱けるかよ。」
「…」
「俺はお前しか抱かないって決めてんの」
そんなことを言われれば…心臓がバクバクと音を立てても仕方ないと思うんだ。
要が私の肩口に顔を埋める。
トップスをずらされると、鎖骨に触れる柔らかい感触。
危うく彼に愛されているのではないか、なんてことを思いそうになるけど…大丈夫。
「他の女なんて…どんな病気持ってるか分かんねーだろ?それにマスコミに写真撮られても面倒だし。」
「…」
「その点お前は安心。お前に他の男が発情するなんて想像できねーし、病気の心配なし。」
「…私とだって…写真撮られるかも、よ?」
「だから家でしか会わねーし。
もし撮られてもオカンみたいなもんですって説明してやるよ。」
こうやって…勘違いなんてするんじゃねーぞ?と要は確実に釘を刺してくるんだから。
はいはい、どうせ…私はただのオカンみたいな幼馴染兼便利な性処理道具。所詮その程度だ。
こっちは心臓が抉られたように痛いというのに要は上から楽しそうに私を見下ろし、私の眼鏡に手をかける。
眼鏡を外されて目を合わせれば、目を細めてふっと笑う。
「本当ブス。外でこんな顔晒すなよ?迷惑だから。」
「…うるさいよ、」
恥ずかしくて目を逸らす。
自分がブスなことくらい分かってるんだから、わざわざ面と向かって言うな、馬鹿。
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