第6話

「もうっ、なんで止めたんだよ。朱里!」




頬を膨らませて朱里を見れば、「はぁ…」っと呆れたようにため息をつかれた。




む。なんだよ。




「あずちゃん…あんなことしてたらいつまでも彼氏できないよ?」




「…んだよ、そんなことかよ。

いいんだよ。オレ、彼氏とか興味ないし。」



「女の子なんだからオレとか言わないっ!」




なぜだか怒り出した朱里はオレの顔を両サイドからぎゅうぎゅう押した。




「そんなんだからみんなに男だとか言われちゃうんだよ?」



「別にいいよ。言いたいやつには言わせとけば。

お。これ食べていいの?」




オレは目の端に映ったお菓子の袋に手を伸ばした。




ぱくり。




「もーぉお!あずちゃんっ!」



「わっ、な…なんだよ。

あ、ぇ…食べちゃだめだったか?」




情緒不安定らしい朱里にビクビクしながら、とりあえず「ごめん。ごめん。」と謝った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る