Seen1 嘘つき女優
第2話
ーカシャ、カシャッ…
煌めくフラッシュ。キレのいいシャッター音が好き。
「可愛い」「綺麗!」って、私のテンションを上げてくれるスタッフさんの掛け声が好き。
くるりと回ると、スカートがひらり。
その瞬間を逃すことなくシャッターを切ってくれるカメラマンさんが心地良くて。
シャッター音が鳴るたびにリズム良く変える表情とポーズ。昔は苦手だったけど、今は息をするように自然と体が動いてくれる。
可愛いお洋服を、次々に着替えて気分は着せ替え人形。
真夏に行う冬の新作コートの撮影だって、汗ひとつかかないのはプロだから。
「オーケーです!
「ありがとうございました!」
スタッフさんの掛け声。
深く頭を下げた瞬間に訪れる、達成感。
これぞ、私が求めた世界。
子供の頃から憧れた、幻想的な空間の“中”に今私は立っている。
「美波ちゃーん、今日も最高に可愛かったよ〜」
「ありがとうございます!私も新作の服沢山着れて楽しかったです!」
ニコッと満面の笑みでお礼を言うと、その場にいたカメラマンさん、編集者さん、みんなが「美波ちゃんが着た服なら完売間違いなしだね」って笑顔で私を見つめてくれるから…
こういう時、私はやっぱりこの仕事が大好きだなって思うんだ。
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