第3話 余韻

朝起きて支度をする。

寝起きはいい。


洗面所で歯を磨きながら、昨日の客のことを思い出す。

あの人、初めて見る顔だったな。

週5でバイト入ってんのに、見たことない気がする。

最近引っ越してきたとか?

レシート短かったし、一人暮らしかな。

それにしても、マジで綺麗な顔してたな。


時計を見ると、結構ギリな時間だ。

さて、今日も学校行って帰ったらバイトだ。

そう思いながら駅に急いだ。


学校を終えて家に帰る。

またぼんやりと昨日の客のことを考えてしまう。

今日も来るかな。

男の一人暮らしだとしたら、そうそう来ないか。


僕は衝撃的だった。

同性なのに、顔面偏差値がこんなにも高すぎる人種がいることに。

今まで異性を見て綺麗だと思うこともなく、当然同性にもそんなこと思うことはなかった。

正確には、出会ったことがない。


珍しいものだから、また見たいみたいな感覚。


ちょっと期待してバイトに向かった。




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