第7話
*Kyohei side*
「恭平~、沙耶ちゃんが男と歩いてたぞ♪」
心底楽しそうな声でやってきたのは要さんだった。
「…慶輔と晃司でしょ。知ってますよ。」
「ふーん…ずいぶん冷静じゃん?」
「別に…」
さぁやの、元気がない顔を見るのがつらかった。しかも、そんな表情をさせてる原因が他でもない自分だってことが。
だから、俺が慰めることはできなくて…多分、慶輔と晃司もなんとなくわかってさぁやを誘い出したんだろう。
俺だって、自分からあんな話、したくはなかった。
自分の弱さを、無力さをさらけ出して…さぁやが動揺するかもしれないと、わかってても。
それでも俺は、さぁやを守るためだったら何でもする。さぁやがずっと笑顔でいられるなら…
「ま、いいならいいけど。それより、シュンか優介どこにいるか知らない?」
「…さぁ。」
「…ふぅん。どっちのケータイも繋がんないから、どうせシュンが逃げられたか一緒に隠れてるんだろうけど…」
かくれんぼする年じゃないのにな~、と言いながらも要さんは急いでる様子が全くない。
「…探さなくていいんですか?」
「ん~?まぁその内出てくるだろうし、用があるのは朱李だから。」
そんなことより、と話を変える要さんの笑顔にため息をつきそうになる。絶対ろくな話じゃないから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます