恋文でつられた先に

小奈鴫(書き)

第1話



 突然だが、人というのは何かしらの優位に立つと堕ちてしまう人間だと思う。今もそうだ。今年の春、高校2年に上がり少数の友人とともに生活をしていたはずだった。でも今は教室中のクラスメイトから「犯罪者」と罵られる始末。ここで本来なら俺は「何もやっていない!」と言い切りながら弁明を交わしたいところだが、あいにくとその犯罪者と呼ばれるには学校にばらまかれた証拠がしっかりしていた。学校中にばらまかれた証拠は一枚の写真だ。その写真には俺がとある女子生徒の上に覆い被さり、襲おうとしてる。ように見える写真だ。


 そんな明確に写真として形が出ていれば大多数の意見がそちらに傾くことは避けられない。


 ではどうしてそのような写真の状態が出来上がったのか?それはまだ自分の中でもしっかりと整理できていない。教室中の視線に耐え切れないから、トイレに移動しながら考えようと思う。


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 あの燦燦と太陽が照り付けるような夏休みの一日、全校生徒統一で登校日が設定されていた。悪態付きながら登校し、下駄箱で靴をしまおう下駄箱を開けたその時であった。下駄箱の中にそれがあった。その時の気持ちを代弁するなら


への招待状かと思ったね。」


 動揺と緊張を隠せないままとりあえずをカバンの中へとしまいゆっくりと教室へと向かいだした。といってる。さながら長距離走を走り切った後である。バクバクとなり続ける胸を右手で抑えながら、それを取り出す。教室へと向かう最中であったが、周辺に人が見えなくなったためそれを開けてみた。「今日の放課後、3階の特別教室で待っている」という。送り主とか不明であった。


 そこで特別教室にいたのは、この高校内ですごく美人で才色兼備と評判のある濡羽 綾香ぬれば あやかその人であった。


 彼女の見た目として、身長160cm、制服である紺色のスカートと水色の半袖Yシャツ、胸元にはポケット、そのポケットの上には学校のシンボルマーク。そして髪は、ウルフカットに濡羽色(カラスの羽を思わすような黒色)。毛先が少し蒼色であった。それと同様に瞳の色も蒼色である。


 では本題である、特別教室に俺が呼ばれたわけだが、、、どうやら告白のようだ。何か秘密を告白するとかではない。いや、ある意味では心の中に秘めていた?ことを打ち明けるのならば告白に間違いはないのだろうけど。しかし、今の問題はそこではないのだ。いまされている「告白」は男女など、人間関係の仲を友達とかの関係から一歩進展させる告白である。彼女が俺に対してだ。


 「突然ですが、あなたのことが好きです。付き合っ「「ごめんなさい」」


 俺の見た目は、ごく平凡に近いと思う、身長168cm、女子と似たようにデザインされた紺色のズボン、水色のyシャツ(左胸元にはポケットと学校ロゴデザイン)それだけだ。大きく評価できるように特筆することはない。そんな俺に学校の美人が告白してきた。そんな事実は俺のとあるトラウマを刺激し、告白に対して俺が食い気味に“断った”のだ。そんな断りに対して彼女は、俯きながら。


「なんで、どうしてですか?」


 そう聞いてくるのみであった。俯いたことにより、顔が見えなくなり髪の毛がだらりと下がり恐怖心をあおるような状態になり、少し驚きながら謝罪を行う。


「すまない。」


人に対してトラウマがあるなんて言えるわけがない。


 「そうですか、私の告白を断りますか、、、いいでしょう。それならば次の行動に移してしまいましょう。」


 それは大きく発した言葉ではなく聞こえなかったが、嫌な予感がよぎった。その予感とは、中学の時に起きたトラウマからくる予感だった。


 しかし、その予感を得た俺より超える速さでこちらによって来た彼女は、俺の腕をつかみ自身の腰にまわし、そのまま後ろへと倒れるように体重をかけ始めた。いきなりことで対応が追い付かなかった俺はともに倒れこんだ。倒れこむ最中に肩を近くの物にぶつけながら倒れた俺は痛みに顔をゆがめた。そこで倒れこんだ先で俺は少しでも抵抗しようと首を動かしていると天井に赤く小さいランプが光り続けているのを見えた。


 驚きの連続でいると何かが口にねじ込まれた。舌である。それとともに何か別の固形の異物が唾液と思わしきものと一緒に口に入れこまれた。そして口がつながったまま彼女に顎を上げられたせいで、口の異物を吐き出せずについには飲み込んでしまう。わからない、なに、これ?なんで?何を?いろんな疑問を浮かべながら俺は抵抗を続け、上下が逆転にせいこうする。


 彼女からしたら、得体の知っている何かを飲み込ませたことで納得がいったのか彼女は俺の腕をつかんでいた手を放しだらりと体を床に預けた。対して俺は、得体のしれない何かをのみこんだことに納得がいかずに、すぐさま拘束がなくなったからだを立ち上げ、特別教室内にある水道へと向かい吐き出そうとする。しかし無情にも喉を通り飲み込んでしまったものを、体は吐き出せずにただ嗚咽と唾液を漏らすだけだった。

 

 >>>


 そこで頭に痛みを覚えながら思い出すことをやめる。意識はそこで途切れ、その意識を失った日から1週間前の月曜に目が覚めた。1週間も日付が戻った事実、彼女が行ったことに対する疑問、いま現在へと変わる。時が巻き戻っている、意識がなくなった事実(死んだと仮定した)から俺は「死に戻り」をしていると考えた。死んだという仮定が正しければ俺が、あの時に飲まされたのは毒ということになり、無事死に戻りを行い2週目の世界(仮)となるわけだ。

 さて2週目の世界(仮)と名付けたわけだが、この2週目ではことがすでに起こっていたみたいで何も対策を弄することは不可能だった。


 とりあえずのところの身辺整理は終わった。1週目の世界(仮)では、恋文でつられた俺は、毒を飲まされその一生を終えた。しかし、2週目(仮)として考えてるこの世界では、死に戻りではあるが問題の事象が起きる時間がずれている。すでにことが起きている世界線ということが考えられる。その事は、夏休みより前に起きてしまい絶賛登校日にこのような事態に陥ったわけであった。すでに起こったことに俺は何もできないのだ。だから冒頭の対策の施しようがないのだ。

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恋文でつられた先に 小奈鴫(書き) @konashigi

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