第12話 灼熱の王
「知らぬとは言わせぬぞ!侵略者よ!」
灼熱の王が魔力を開放する。その多さに空間が歪み、岩の一部が崩壊する。俺では耐えるのに精一杯だ。なら先手必勝だ、
「天魔大罪
今俺が出せる最大のデバフを付与する。これなら、相手はキツイ魔力制限を受けてる。俺と対等とまではいかないが多少はいい勝負は出来るだろう。
「天魔殲黒 明けの明星」
闇を照らす一条の光が灼熱の王の体を穿つ。それは灼熱の王の体を貫通し、闇に消えていく。しかし、
「軟弱な、この程度で我を下そうなど、度し難い愚か者が スキル 灼熱の轟!」
まずこの空間であり得ない熱気に顔を顰める。この
「天魔殲黒 電脳領域」
「無駄だ、貴様程度では私に勝つことはかなわぬ。スキル:灼熱の轟・槍」
確かにあの槍からはありえないほどの魔力を感じる、が
「天魔殲黒 電脳領域」
「無駄だ、貴様程度では私に勝つことはかなわぬ。スキル:灼熱の轟・槍」
先ほどの範囲攻撃を凝縮し膨大な魔力が込められた炎の槍が発射された。しかし、俺には届かない。この能力は、黒い負の感情を込めた魔力を使い、発動する。そしてこの魔力は創造と破壊を生む。それを使った常時発動型の力。そしてそれは俺に近づけば近づくほど強くなる。あいつと俺で格が違うので相殺は出来ない。だが、幾らか威力を削ることはできる。そして、そこに
「天魔殲黒 明けの明星」
最高威力の攻撃を叩き込む!灼熱の王は自身の攻撃が相殺されたことに驚きを隠せないでいる。もちろん、その隙を見逃すほど俺は弱くはない。
「天魔呪壊 禍星の鎖・
鎖が灼熱の王に絡まり、魔力を空気中に霧散させる。
「っち、小癪な! スキル 灼熱の轟・神槍」
灼熱の王が霧散した魔力を卓越した魔力操作で操りスキルを発動する。すると、光の塊が槍となりこちらに飛来する。
クソ!あれは、まずい!
「
基本人間が魔物のスキルを使うためにはスキルの詠唱が必要になる。俺が今まで使ってきたスキルは比較的等級が低いものなので銘を唱えるだけでも発動は出来る。だけどこれは今の俺じゃ無理だ。
「
銘を唱えた途端に、大地から出てきた巨大な影がスキルごと灼熱の王を飲み込み、そして霧散する。
「よし!やったk...」
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灼熱の王との戦いで異能:天魔の熟練度が高まりました。異能の進化を行います。
実行中...
使用者がスキルの所有を確認。異能:天魔との統合を試行中...完了
ステータスを表示します
名:桃輝 礼央
称号:天魔を継ぐ者
クラス:天魔
クラス能力
天魔の影
霊装
無影
↳H&K G28
↳デザートイーグル
異能力
影の権能
影打ち
影写し 獲得条件:灼熱の王の撃破
影渡り 獲得条件:極光の王の撃破影踏み 獲得条件:旋風の王の撃破
影鳴 獲得条件:氷結の王の撃破
影狼 獲得条件:黄金の王の撃破
影喰らい 獲得条件:影の王の撃破
影の王国 獲得条件:影の権能の全開放
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「なんか嫌なタイミングで能力の強化入ったな。」
だが、今の俺に使えるのは『影打ち』って権能だけだな。他のはロックされてやがる。解放条件が?
「...はは、王の撃破ってマジかよ。」
王の撃破は困難だ。というか不可能に近い。さっきの灼熱の王は分霊体だ。使用しているスキルが『灼熱の轟』だけなのがいい例だ。あれは王が分霊体にスキルを一つ与えただけで本来の5%程度の力だろう。くっそ!明らかに自殺行為を繰り返すしかないってことか。
しかし、俺の思考は長く続くことは無かった。何故なら俺の目の前の空間にひびが入り、割れた。そこにはさっき飲み込んだはずの灼熱の王がいたからだ。
「侵入者よ、貴様のことを侮っていたようだ。我は分霊体だが本体に許可は貰った。全力で行っていいとな。」
そう言い終わった瞬間背中に何かが這い上がってくるような恐怖を覚えた。その瞬間、俺はその場を後方に飛ぶことで離脱する。
「...っち!」
「スキル 螺旋獄炎!」
すると、俺が立っていた場所から螺旋状を描いた炎の渦が発生した。あれは高火力一点集中型の攻撃。くっそ、こっちも異能を出すしかないってことか。
「影の権能・影打ち」
すると、俺の影から一振りの黒刀が出てくる。そして、種族開放を行い身体能力と回復能力を極限まで高めて王に向かって飛んだ。
「馬鹿め、空中では避けられないだろう スキル 螺旋獄炎・五連柱!」
「愚策ではないだろう、黒爪!」
俺の影が凝縮されて出来た刀から薄い影の刃が発生し炎の嵐を切り裂く。こいつの特性は二つ。『敵が強くなればなるほど切れ味、内包魔力量などのスペックが上がる』と『炎などの光を放つスキルへの特効性がある』の二つ。そして剣技などのこの刀の使い方が頭に流れ込んでくる。
「貴様、その力は影の王の...」
灼熱の王は、俺の刀を見るとはっとした顔をして一瞬、一秒にも満たない僅かな時間だったがスキルを出すのに遅れは確かに生じた。
「蒼穹の影」
刀を灼熱の王の腹に突き刺した。
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