クソ強拳法家達はダンジョンに挑む!~トンチキ最強拳法家達と中堅配信者が全国のダンジョンに挑むらしいです~
第24話:ボウリングの時間だオラァッ!『い、いやウチと碑矩はカップルって訳じゃなくてその……』
第24話:ボウリングの時間だオラァッ!『い、いやウチと碑矩はカップルって訳じゃなくてその……』
「ボウリングの時間だオラァッ!」
「「「「!?」」」」
ダンジョンにでも行くのか?と思っていたら普通にボウリング場前にやって来た一行。何か言いたげな師匠を無視して骸は中に入っていく。
「……こんなことやってる暇あるのか?」
「まぁたまにはいいじゃないですか。僕たちだいぶ戦いばっかりしてましたし」
「それもそうだな……。ところでボウリングってなんだ?」
そんなこんなで中に入ると、何やら家族割やらカップル割やらいろいろ書かれていた。既に受付を済ませている骸は事情を説明していく。
「メンゴ!上の割引系の奴安かったんで全部それにしちった!」
「殺す」
「師匠!ダメですコイツの頭でボウリングしようとするのはダメですホントに!」
流石にこんなところで激ヤバスプラッタを他人に見せる訳にもいかないので、トホホとここは牙を収める師匠。ただノドにシレッと指をぶっさしているので明らかに許してはいない。
「で、何割と何割なんじゃ?」
「それぞれ『家族割』『親子割』『親友割』『カップル割』だ」
「……今何人いるんだコレ」
「俺、骸、時、タマ、子猫、虹、んで碑矩と師匠と……。一応問題無いの腹立つな」
「?」
バカは無視してとりあえず楽しそうにしているタマから先に向かわせることにした。コンとの家族割でさっさと入り、お次は明らかに面倒くさそうなカップル割。
「コレ……。どうする?」
「いや、一人しかないんだよそもそも女」
「だよね……」
この状況では彼らに選択権は無い。子猫がカップル相手を選ぶ権利だけが与えられている。
「……」
「え?俺チャン?」
「黙ってて!」
ホイホイ出てきた骸をぶっ飛ばしつつ、子猫は碑矩の腕を取る。
「……彼と」
「はいはい、お二人様ですね」
受け付けは通り過ぎたのだからもういいのでは?と思っていると更にギュッと強く握りしめる子猫。
「ウチ、もう少し……このままがいい」
「……そっか」
「クソッじれってぇなぁ……俺チャンちょっといやらしい雰囲気にしてきます!」
後ろで骸がボコられたところで、親子割を偽装して中に入る師匠と骸。そして全く関係のない虹と時が親友割で中に入った。
「ところでお前らルール知ってる?ボウリングの」
「あれですよね。球を投げてピンを倒すって事は知ってますよ」
「いくら何でもバカにしすぎじゃろう」
シューズを借りボールを手に取り、碑矩。第一球。
「オラァッ!」
明らかに転がすと言うスピードでは無い威力でボールは吹き飛び、ピンを隣のレーンにまで吹っ飛ばすほどの威力。スコアボードにはストライクの文字が出たが、流石にヤジが飛ぶ。
「いやダメでしょ!」
「え!?ダメ?!」「なぬ!?ダメなのか!?」
ちなみにこのレーンには師匠&骸と子猫&碑矩の四人でやっており、隣ではタマとワチャワチャしている三人ズでの八人構成である。
「まぁ見てなって俺チャンの投げ方!」
二ピン、三ピン。合計五点。
「なぁ今のが正しい投げ方なのか?」「……」
「なぁ」
「うるせぇ!おい次子猫だやれッ子猫!」
五ピン、三ピン。合計八点。
「……もしかしてホントに正しい投げ方なのか……?」「中々あぁいうどうでもいい点数はとれんぞ」
「二人とも球を投げるの禁止ね!!!」
その方が点数取れるのに……とズレたことを考える二人。まぁ仕方ないので師匠はスイーッと投げてストライク。
「若いのはなぜこんな楽勝タマ転がしに夢中になれるのだ?」「多分毎回ストライク取る奴はこんなところに来ないからですよ師匠」「パーフェクトゲームでも目指すとするか……」
明らかに二人だけガチでやっているが、タマ達の方は賑やかにやっていた。
「ていっ!」
「おー中々うまいぞタマ」
「エヘヘ……」
「お前魔法使えんだ?まー俺は銃の方が好きだけどな」
「ほーん、俺は魔法の方が好きだけどな」
そんなこんなで楽しんでいる様子である。……ガチ勢の二名を除いてだが。
「うおっギリじゃったぞ今!」「ターキー出来ましたけど案外難しいですね」
「そんなあっさりターキーされちゃ困るんだよね」
「ウチそんな下手じゃないんだけどな……」
シンプルに下手な骸と、特筆すべき事もない子猫。何とも言えぬまま、碑矩のラストショット。
「フン!」
「おっ!?どうだ!?」
碑矩、無念の一ピン残し。
「……クソッ!」
「クハハ残念だったな碑矩!ワシがパーフェクトゲームをするさまを良く見ておけぇッ!」
ストライク。ストライク。……一ピン残り。
「オラッ!」
ストライク。
「おい待て!不正だ不正!」
「どこが不正じゃ言ってみぃ!」
「無効試合でーす!帰れ帰れ!」
「おぉ!?そこまで言うならブチのめしてやるわ!表に出ろボケ!」
こうして二人がどっかに言ったので、後に残ったのは碑矩と子猫の二人。ここで子猫ラストボールなので教えてみることにした碑矩。
「まぁ割と倒せるし頑張ればストライク出来るかもね」
「ホント?なんかエラい残り方してるよ今……。挑めないよ……」
「正反対の二つ残ってるのアレだよね。まぁちょっとスペア取ってくるから」
ホントにあっさりスペア取ってホントのラストショット。口で説明するのも難しいので手取り足取り教える碑矩。
「あ、あの……」
もちろん手取り足取りと言う事は、子猫の身体と碑矩が触れていると言う事。手の動かし方などを教えてあげているのでそりゃもうだいぶ近い。
「どしたの?」
「え?!い、いやその……うおぉっ!」
「おっ、いい感じ」
あまりの緊張にボールを雑に投げ飛ばす子猫。転がっていったボールはまっすぐピンに向かって吹っ飛んで行って……。
「おっ、ストライクじゃん」
見事にストライクど真ん中を撃ち抜いたのであった。
◇
「楽しかったかタマ?」
「楽しかったです!お兄様!」
「銭湯でも行こうぜー」「じゃ俺も行くか。お前らはどうする?」
「ワシはもちろん行くが……碑矩は?」「じゃあ行きますか。子猫さんはどうします?」
「……ウチも行くけどさ……。その前に碑矩、ちょっといい?」
「どうしました?」
「……ウチの事はさ。呼び捨てでいいよ」
「……?子猫って呼んでいいって事ですか?」
「ん。……お願い」
「わかりました。子猫」
「……ありがと」
「ねぇやっぱりあの二人アレだよねぇ?片方がニブちんだとアレだよねぇ?」
「首だけで喋るな。ド喧しいわ」
体をどっかに捨ててきたのか頭だけ引っ張っている師匠。完全にゴミみたいに扱っているが、その内体だけの骸が後ろから走ってくる。
「……なぁ」
「お?どしたん話聞こか?」
「……いつかは碑矩に本当の事を……話さなければならんのかのぉ」
「……そん時はそん時で考えりゃえぇだろ。俺はお前が何を言っても責めないよ」
「……あぁ」
そんな事もあったが、いよいよ東京最後のダンジョンに挑む一行。
待ち受けている物は。
「チクショウまただ!また巻き戻りやがった!」
『……!……!!』『!……!』
「もう良い!アイテムも何もねぇこんなところにいてたまるか!」
……果たして。
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