第4話 幼馴染のときめき
ルシファリアは
レオの突然の登場に驚きながらも
彼のステータスを確認すると
ふと嘲笑を浮かべた。
「ふふっ
この戦力でよくここまで来れたな
レベル1で職業が『奴隷』だなんて
笑わせてくれるわ
さすがにその無能っぷりは想像以上ね」
ルシファリアは冷ややかな笑みを浮かべながら
アレクシアの前に立つレオを見下した。
ルシファリアの言葉には侮蔑と嘲笑が混じっていた。
しかし
レオはその挑発に動じることなく
冷静なまなざしでルシファリアを見据えた。
「アレクシア様を何としてでも守る!」
「レオ殿……」
アレクシアは
思わずその胸が高鳴った。
レオの凛々しい姿に
心がキュンとときめいてしまったのだ。
ルシファリアは再び笑い声を上げた。
「奴隷風情が一人で何ができるというの?
まあいいわ
少しは楽しませてもらいましょうか。
奴隷の末路をね」
ルシファリアは闇の魔力を集め
その手に黒いオーラを宿した。
その力に対してレオは余裕の表情で
剣を構えた。
アレクシアは
レオがレベル1になっていたことを心配していた。
しかし
レオはそれを察して
微笑んで言った。
「大丈夫です
レベル999だった頃の感覚はまだ残っているので
全くのレベル1というわけではありません」
その言葉にアレクシアは少し安心したようだったが
ルシファリアは冷たい視線で彼らを見つめ
嘲笑を浮かべたままだった。
「ふん
そんなことが何になる?
結局、レベル1の奴隷に過ぎんのだ」
レオは挑発するように笑みを浮かべ
「じゃあ、試してみるか」
と言い返した。
レオは真剣な表情でルシファリアを見据え
力強く言い放った。
「アレクシア様を弄んだこと
絶対に許さない」
その言葉に
ルシファリアの顔から笑みが消え
怒りがその瞳に宿った。
「奴隷風情が……そんな口を利くなんて許せないわ!」
ルシファリアは闇の魔力を集め
その手に黒いオーラを宿したが
レオは一歩も引かず
剣を構えた。
そして
心の中で覚悟を決め
究極スキル
『光翼の覇者』
を発動した。
光の翼がレオの背中から広がり
彼の体を包む輝きが周囲の闇を打ち払った。
ルシファリアは驚愕の表情を見せる間もなく
レオの一撃がルシファリアに向かって放たれた。
ーーーーーーーーーーーッドド!!!
「これで終わりだ!」
光の剣はルシファリアの闇の力を貫き
ルシファリアは一瞬でその場に崩れ落ちた。
レオの攻撃は完璧で
彼の決意と力が見事に結実した一撃だった。
レオはしばしの間
静寂に包まれた戦場に立ち尽くした。
息を整えながら
勝利の余韻と共に自身の胸に湧き上がる感情を感じていた。
目の前に倒れるルシファリアの姿に
アレクシアを守り抜いたという安堵の念が込み上げた。
暗闇が次第に光に包まれ
薄れゆく闇に代わって静かな風が
洞窟の中に吹き始めた。
レオはゆっくりと剣を下ろし
アレクシアの方に振り返った。
その瞬間
彼の視界に入ったのは
涙を浮かべながらも笑顔を見せるアレクシアの姿だった。
彼女の目には
レオへの感謝と安心感が溢れていた。
勝利を確認したアレクシアは
喜びのあまりレオに駆け寄り
彼の胸の中に抱きついた。
「レオ殿……ありがとうございます!
本当に……助かりました」
アレクシアの声は震えており
彼女の感情がいかに高ぶっているかが伝わってきた。
その冷徹さを装っていた表情は
今や完全に崩れ去り
純粋な喜びと安心感があふれていた。
彼女の腕はレオの背中にしっかりと回され
その温もりが彼に伝わってきた。
興奮していたせいか
アレクシアは無意識のうちに自分の体をレオに密着させていた。
彼女の胸がレオの胸に押し当てられ
レオはその瞬間
自分の頬が熱くなるのを感じた。
「ア、アレクシア様……」
レオは動揺しながらも
どうにか言葉を発しようとした。
しかし
アレクシアの温もりと感謝の気持ちが彼の心に伝わり
言葉が詰まってしまった。
ただ彼は
顔を赤くしながらも
彼女の感情を受け止めようとしていた。
アレクシアはそのまましばらくレオに抱きついていたが
やがて我に返り
少し恥ずかしそうにレオから離れた。
「す、すみません……つい……」
レオは微笑みながら首を横に振った。
「いえ、大丈夫です
アレクシア様」
その言葉に
アレクシアは安堵の表情を浮かべ
再び微笑んだ。
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