第33話 陛下との密会
「スターナー伯爵家一同、陛下のご命令に従い、登城いたしました」
「いつもすまぬな」
(王サマのおっさん、謝れるとか意外といい奴じゃん!)
(ミシェル!!!!)
「陛下のお心遣いに感謝申し上げます」
最初の呼び出しには緊張してたけど、
「……なにか、香水を変えたのか? 不思議なにおいがするぞ?」
「は、ははは、その、新しい香水が少し腐っていたようです」
「このにおい……癖になるな。いらぬなら、あとでその香水を私に差し出すように」
「はっ」
(ミシェル。ムサルトを好きに使っていいから、この香りを作り出せ! 陛下はお鼻が少し腐っているご様子だ!)
(……
(……私としたことが!? 動揺のあまり!!!)
「違う話をしてしまったな。今回、呼び立てた理由は、調査してもらいたい件があるからだ」
「申し訳ございませんが、わたくし……」(悲痛な顔)
「ミシェル! 断るな!! もちろんお受けいたします。陛下」
「……スターナー伯爵家はいつもミシェル嬢がぼけて伯爵がツッコんでいるな」
「は、はははは」
(え、あたし、いつも本気と書いてマジと読むけど?)
(だから、ミシェル、絶妙に古い!!)
「獄中で殺されたピンク頭のメイドの姿が城内で目撃されているのだ」
「……あのぉ、陛下。彼女はなくなったのでは……?」
「……精神異常者を見るような目で見るな。幽霊騒動として、かなり多くの者が目撃している。皆が怖がって、特にメイドたちが仕事にならぬのだ」
「そ、そんな目で陛下を拝見する不敬など、働いておりません!!」
(
(ミシェル!?)
「まぁ、良い。その幽霊騒動について、調査してくれるか? それに、王妃の事件でもまだ気になることがあるのだろう? それも好きに調査するがよい」
(まじで!? あたし、それ気になってたんだよねぇ~)
(ミシェル……お願いだから長いものに巻かれていてくれ)
(あのカーテンにでも包まっていたらいい?)
(ミシェル!???)
近くのカーテンに視線を向けたら、
(ミシェル!?)
「目撃者はこちらで調整して話を聞けるようにしておく。頼んだぞ」
「はっ」
頭を下げた
「……香水はいつ頃持ってこれそうか?」
王サマ、めっちゃ気に入ってるじゃん! ついでににんにく料理も開発して渡したら、大金持ちになれるんじゃね?!
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