第15話 突然の訪問者
「陛下。こちらまでお越しいただき、申し訳ございません」
「ちょうどすべての容疑者の固有魔法の閲覧がすんだところ、か」
「はい、陛下のおっしゃる通りです」
(なんで王サマは、黒真珠のアクセサリーを身に着けた三人を容疑者として絞ることができたのか……? そこまでわかっているのならば、なぜあたしたちに捜査を依頼したのか……)
ふと、
あたしの心の声を聴いた
「
突如杖を取り出した宰相が、あたしたち一家に
「……スターナー伯爵夫人は魔法の展開が早いな」
何事もなかったかのように、王サマがそう語る。無言の宰相サマ、何考えているのかわからなくてキモ。
「恐れ入りますわ。……羽虫が飛んでいたので、つい防御魔法を展開してしまいましたわ。わたくし、虫が苦手ですの」
おっとりとした笑みを浮かべながら、今の宰相サマの攻撃をなかったことにする
「では、私もそなたたちの杖を折らせてもらおうとするか」
そう言って、宰相サマの横に立った王サマ。二人が杖を構える……あれって、杖を動かなくしたら、もしかして攻撃できなくなるタイプ? あたしは杖がなくてもいけるクチだけど……。
(ねぇ、
(……今は不敬とか言っている場合じゃない! いっけー! ミシェル!)
テイムした魔物を使うテイマーのように意気揚々としている
「……攻撃魔法……杖が動かぬ?」
「陛下。私の杖も動きません」
目を見合わせた二人と目がばっちりと合った。
「……ミシェル嬢。そなたの仕業か?」
「……」
ご指名を受けたあたしは、自由に発言する許可を得ていない。
「申し訳ございませんが、わたくし……」(悲痛な顔)
仕方がないので、
「お父様。お願いしますわ」
淑女らしい微笑みを向けると、
「フライア……」
泣きそうな顔をした
「僭越ながら、陛下。わたくしが、夫と娘に代わって推論をお話させていただいてもよろしいでしょうか?」
(
(今や不敬など関係ないから、許す!)
new! 「お母様。お願いしますわ」
「お母様。お願いしますわ」
あたしも
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