第2話 新しいはじまり

“君の願いかなえてあげようか?”


そんな声が聞こえた。

わたしは、とても驚きながら。


「え?あ、あのどなたでしょうか…。」


“僕かい?僕はただの神様だよ。”


「なんでわたしの願いを叶えようとしてくれるんですか?」


“退屈だったからだよ。神様といっても娯楽も殆ど無いし。”


「そうだったんですね。」


“で、どうするの?願いは何?”


「わたしは、人間の姿になって彼と話がしたい。」


“そうか、いいよ!たださ、いくつか条件を付けさせてもらうね。

一つ目、君には人間でいられる制限時間を設けるよ。期限は一週間。

二つ目、君の思いを彼に伝えること。

三つ目、もしも二つ目が守られなかったとき君は記憶を奪われ金魚に戻ってしまう。

もし君の思いが実ったとき、君はずっと人として生きることができる。なんてのはどうかな?悪い条件ではないと思うけど!”


確かに悪い話ではない。彼に思っていることを伝えるための姿や声を手に入れられる。でも、もし思いが実らなければ今の気持ちも今までの幸せな気持ちも全て無くなってしまう。


「わたしは…。」


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