第2話
西条先輩と出会った次の日、いつもよりも遅く学校に登校すると校門で西条先輩が待ち構えていた
「お!凛太郎くーん」
先輩は手を振りながら小走りで俺に近づいてくる
俺は予想もしていなかった出来事に呆気にとられる
「この不良め~、遅刻ギリギリだぞ~?」
先輩は肘で俺の脇腹を小突きながらいたずらっ子のような笑顔で話しかけてくる
「なんでいるんですか?」
「なんでってそりゃ私が通ってる高校だもん」
先輩は心底不思議そうに答える
確かにそうなんだけど俺が聞きたいのは
「待ってたんですか?」
「うん」
「····なぜ?」
先輩と俺は昨日出会ったばかりなのだから俺を待つ理由が分からない
「なぜって···キミに興味があるから?」
「どういうことですか?」
「どういうことだろうね?それよりもうチャイム鳴るよ早く行こ」
答えになってない答えに不満を抱きながらも教室に向かった
「あ、あと今日の昼休み屋上集合ね」
「····了解です」
なぜだろうトラウマの場所のはずなのに今から昼休みが楽しみだ
◇◇◇
俺はなんとかチャイムが鳴る前に自分の席に着くことができた
先輩は間に合っただろうか
俺を待っていたとのことだったので罪悪感が湧いてくる
まぁ心配してもどうすることも出来ないのでとりあえずあとで謝っておこう
「は~い朝のホームルーム始めるぞ~」
担任の
「前々から伝えていたとおり今日は転校生が来る日だ、じゃ入ってこい」
森川先生がそう教室の外に声をかけると黒髪ロングヘアーの美少女が入ってきた
俺はあまり興味は無かったがクラスの男どもはおろか女子さえも沸き立つ
「うるさいぞ~自己紹介してもらうから静かにしろ~」
先生のその一言で教室は一気に静まりかえる
俺が言うのもなんだがこいつらの情緒どうなってんだ
「
「とりあえず席は桜井の横で、何か分からないことがあったらそいつに聞け」
先生は俺の隣の空席を指差しながら説明する
そして黒川はゆっくり自分の席に座ると俺にしか見えない角度で蕩けるような笑みを浮かべながら
「会いたかったですよ、凛ちゃん♡」
········は?
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