第7話
20:36
「和哉ー!お友達きてるわよー!」
こんな時間に誰だよと
思いながら階段を下がる。
智洋だった。
「なんだよ、こんな時間に」
「俊が!若松私立病院に運ばれた!」
急いで上着をきて
智洋と急いだ。
「はあ、はあ。てか、なんでお前知ってんだよ」
「俺。バイトで病院の清掃やってんだよ!
そしたら俊が、運ばれてきたのみちゃって」
とにかく急いだ。
チャリに乗りながら
車があればいいのにとずっと
考えていた。
病院について
「すみません!、小林俊ってどこの
部屋ですか?」
と聞くと、
「すみません。ご家族しか面会は出来ないんです」
予想はしていたが
受付で騒いでいる自分たちを
俊の親が、僕たちを見つけてくれた。
「俊のお友達ですか?」
「そうです、いま俊は?大丈夫なんですか?」
「意識は戻っているわ、少しだけだけど
会ってもかまわないわ」
俊のお母さんはふと言った
「俊にこんなに、いいお友達がいるの
知らなかったわ」
と、呟いた。
ああ、俊は、母親に似てるんだなと
思った。
同じ目の色、髪の毛。
華奢な身体。
とにかく急いで俊の病室に入った。
智洋が言う
「俊!お前なにあったんだよ」
俊はまだ朦朧としていて
一言だけ言った。
「また、先輩が」
そう言って俊は涙を流していた。
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