十六夜の月

一閃

第1話

待つ人がひとりもいない

失くすものも何ひとつない

ひっそりかんと ひとりぼっち

すっからかんの 心を携（たずさ）え 今宵も 眠れず 風に吹かれている


十六夜の月よ ためらうことなく 誰かを想いたい


十六夜の月よ 躊躇することなく 夢を追いかけたい


見上げた月に 明日を占えば

「おまえしだいだ」と言うように 凛と闇に浮かんでいる


十六夜の月よ 灯りも点（ともら）ぬ 道を 迷わぬように照らしてくれ


十六夜の月よ 何も持たない虚しさを 夢見ることで忘れさせてくれ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

十六夜の月 一閃 @tdngai1

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

App Storeからカクヨムアプリをダウンロード

Google Playでカクヨムアプリを手に入れよう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ