第17話

「なあ!その子怯えてるで!」


錦くん?が少し声を荒らげた。




「ああ...ごめんなお嬢ちゃん。でも俺は君を怯えさせるつもりは更々ねえんだ」


ワイルドな男の人は、関西に似合わない流暢な標準語でそう話した。



この人、関東の人間...?


ますます身体が強ばるのを感じた。





「ほんま堪忍やで」


錦くんは不良らしからぬ可愛らしい笑顔を向けてくれた。







ガラッ


松の絵柄が書かれた襖が開く音がした。

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