神々の道楽

森川海守 もりかわうみまもる

神々の道楽

神々

どうじゃ、この竿のしなり具合は。

カーボンロッドというんじゃって。

なかなか、人間ども、やるではないか?


サラリーマン

支店長が何だい!

いつもいつもえばり腐って。

てやんでえ!ばーろい!


ええい!酔っぱらっちゃったい・・・・

ううん、何だ?

いい女がいるじゃねえか。

でも、まあ、俺は女が苦手。

やーい、ねえちゃん・・・。

と、声は細くなり。


神々

ううん、釣れませんね。

どれどれ、一つわしにやらせてくれませんか。

こうですか!? なかなか軽くて、

持ち具合がよろしいですなあ。

こういうのはね!

誘いを入れるっていうんですか。

ちょいと竿を動かしてね。ひょい、ひょい。


サラリーマン

おっ、何だ!

路上でこんなことしていいの?

スカートがパットめくれあがっちゃって。もう、好き!

おれ、知らねっと。

抱きついて抱きついて、もう好きなんだから。

がばっ!

うん!?何だ?足が、地面から離れていく!

お、お、俺は高所恐怖症なんだよ。助けてくれ!

そうだ、女から手を離せばいいんじゃねーか。

えい、えい、何だ!離れないぞ!

えいっ・・・。ばたばた・・・。


神々

おっ、釣れましたよ。

この竿のしなり具合、

これがいいんですよ。

右に左に、うんうん。

ぐっと、ビルをかわして・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

神々の道楽 森川海守 もりかわうみまもる @morikawa12

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画