大辺境開拓記 最高の大都市をここに築く!

吉田 ヤス

プロローグ

大陸歴631年、ノルトアルハス大陸は群雄割拠の時代を迎えていた。遥か昔は強大な国家(帝国と呼ばれている)があり、その周りに国が数個存在するというような統一された平和な時代もあったようだが、盛者必衰の理には何物も勝てないようで、他の強大な民族が襲来し、帝国は滅び周辺地域も征服された。200年の暗黒時代と呼ばれる時代が訪れた。だが、その民族も当然のことながら滅亡。独立した国家は、最初こそ平和である程度まとまっていたものの、彼らは民族からの独立だけに手を組んだようなものであり…

戦乱が訪れた。

ありとあらゆる国家が崩壊し、大陸には数多くの国家が存在することとなった。さらに従う貴族も反抗的なものが多く、大抵の国は国王の勢力は首都やその周辺程度であった。大陸に住む大多数はアルトラ教を信仰していた。

そんな貴族が成り上がりを目指そうとする時代、ある青年はとある大きな目標、ただし実現は到底不可能な…夢を持っていた。

"大辺境を開拓する。"

大辺境というのは、実はあまり知られていない。なぜなら戻ってきた人がほぼ、いないからである。

ほぼ、いないというなら戻ってきた人もいるにはいるのだが…

「広すぎる。出口のない迷宮のような場所だ。」

「あんなところには2度と入りたくないな。」

そんな意見が出る、正気な奴は近付きすらもしない大辺境を、ただの一青年が開拓しようというのである。当然、市民は説得した。

「バカなことを言うな」

「死にたいのか?」

そんなことを言われながらも、彼は信念を全く曲げなかった。「大辺境には絶対に何かがある。それを知るまでは絶対に諦めない。」

そんな言葉をまともな市民は信じなかった。

そう、まともな市民は。

1人は親友。自分が言うことなら俺もついていかないとなと言ってくれた。

1人は奴隷。たまたま死んでしまった親が持っていた"物"だ。だが、彼の知識には自分も驚かされる。さらに旅を円滑にするため3人買った。

もう3人は冒険者。さらに5人は友人。さらに人を探していると、意外な人に声をかけられた。スラムの住人である。

「こんなクソみたいなところで死ぬくらいなら、何かをやってから死んでみたい。」

「自分には仕事があった。あれは天職だった。もう一度やりたい。」

こんな馬鹿な夢に、よく付き合ってくれるなと思う。自分の幼い頃からの疑問を解消するためだけにほぼ共に死ぬような状況に同行してくれるのに心から感謝した。

そして金を使って種やら農具やら大工道具、剣などを揃えて、あっと食料を忘れていたなと買いに行った。できるだけさまざまな職を経験した人を集めたのだ。開拓してみようと思った。

ああ、神よ、我らを守りくだされ。

旅の無事を願いながら、話をする。

「全員、準備はいいか?」

「いいぜ」

「いいですよ」

「付いていきます。」

「同行するぜ。」

「ああ、行こう!」

「それでは、全員出発だ。さあ、大いなる辺境へ!」

『さあ、大いなる辺境へ!』

そして彼、ロバーツ・チャールスペーの開拓が始まるのであった。

ロバーツ・チャールスペー隊

現在、16人


初めての小説なので、大目に見てくださると幸いです。

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