契約と後悔
美咲はバウギロスから契約の仕方を聞いていた。
“方法は簡単だ。だが実際に行ったことがない。その後どうなるかは保障できぬがな”
“それでも、これしか方法がないんだよね……覚悟を決める、だから教えて!”
“うむ……迷っていても仕方ない”
少し間をおきバウギロスは再び話し始める。
“その方法とは契約を交わした直後、止まった時間を戻す。その後お前と我は一体化する。但し我の能力に、お前が耐えきれるか……それだけだ”
それを聞き美咲は不安になる。
“待って……言っていることが理解できない。私はバウギロスを吸収しようとして消滅するかもしれないのよね? それなのに意味が分からないよ”
“ふむ……説明不足か。契約を結ぶことにより、お前の体を完全ではないが護れる”
“そういう事かぁ。そうだね……その方法しかないなら契約します”
決心し頷き美咲はバウギロスへ視線を向けた。
それを確認しバウギロスは「うむ、では始めるぞ」と言ったあと美咲を見据える。
“我は龍神バウギロス。汝、ミサキ・リュウナギと契約する者。汝は我と契約を結ぶことを承諾するか?”
“私、龍凪美咲は龍神バウギロスとの契約を結ぶことを承諾します”
そう美咲が言ったと同時にバウギロスは時間を戻した。――……
……――時が戻り美咲は眩い光を放ち、バウギロスを体内へ吸収する。
と、バウギロスの計り知れない能力により美咲は全身に引き裂かれるような痛みが走った。
耐え難い痛みにより声も出ず美咲は、もがき苦しんだ。
「う……く、苦しい。痛い……で、でも……耐えなきゃ……アァアアー……」
必死に耐えようとするもバウギロスの強大すぎる能力を抑えきれずにいる。
「アー……もう駄目えー…………」
そう叫び美咲は、バウギロスの能力を放ってしまった。
美咲の放った能力は周囲を破壊し尽くし続ける。
力を全て出し尽くすと美咲は辺りを見渡した。それと同時に目を疑い困惑する。
そう辺り一面、燃えて灰になっていたからである。
「これって……私が、やったの?」
“そのようだな。だが成功したようだ……完全ではないが”
「そうか……でも、この能力って……」
俯き美咲は何気に自分の姿をみて驚いた。
「えっ!?」
そう体の一部が竜化していたからである。
竜化している部位は顔の左目から上にかけてと上半身の左側ほぼ全体、下半身が左足の上にかけてだ。
左側二の腕の上部より肩にかけて竜化している。かろうじて両手は竜化しておらず、それだけが救いだろう。
「……ど、どうして? なんで私の体が…………イヤァアアー……」
一部が竜化してしまった自分の姿に美咲は混乱し泣き叫んだ。
“我は何も助言できぬ。だがミサキと我は消滅せずに助かった。それだけでも良しとしなければなるまい”
「ヒック……こんなんじゃ……ヒクッ……好きな人に……告白できないよー……」
これなら死んだ方がまだマシだったと思い美咲は大泣きをする。
生贄の祭壇へと向かっていた司は、その泣き声を聞き付け美咲に何かあったのかと思い急ぎ駆け寄ってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます