第10話 新たな力の目覚め⁉ 魔法使いとしての自覚!
感謝祭での成功を収めたリリカとステラは、次の挑戦に向けてさらなる努力を続けていた。
そんなある日、リリカに異変が起きる。リハーサル中、彼女の手からこれまでとは異なる魔力がほとばしり、思わぬ火の魔法が発動したのだ。
「リリカ、今のは…火の魔法?」
ステラが驚いて駆け寄ると、リリカは自分の手を見つめて戸惑っていた。
リリカは光の魔法を使うことができたが、火の魔法は初めてだった。
しかも、その力は制御不能で、周囲の空気が熱を帯び、焦げるような感覚が広がっていた。
「ごめん、私もわからない…ただ、急に力が溢れ出して……」
リリカは不安そうにステラに告げた。
これまでの光の魔法とは異なる感覚があり、力のコントロールが難しかった。
ステラはそんなリリカの肩を軽く叩いて励ました。
「大丈夫、リリカ。新しい力が目覚めたんだよ。それを一緒に制御できるようにしよう」
リリカの新たな力である火の魔法は、これまでの光の魔法を超える強力なものだった。
だが、その力をコントロールするのは簡単なことではなかった。
リハーサルをするたびに、リリカは力の暴走に苦しみ、思い通りに魔法を使うことができなかった。
「どうしてこんなにうまくいかないんだろう……」
リリカはステージの片隅で膝を抱え込み、自分の未熟さに悩んでいた。
ステラはそんなリリカに寄り添い、優しく声をかけた。
「リリカ、焦らなくていいよ。新しいことに挑戦するのはいつだって難しいものだから。一歩ずつ進んでいこう。私も最初は水の魔法をうまく扱えなかったんだ」
ステラの言葉に、リリカは少し元気を取り戻し、再び立ち上がった。
二人は新たな魔法をコントロールするための特訓を始めた。
リリカとステラは、猫耳メイド魔法使いとしてすでに光の魔法属性だが、他の属性も使いこなすことができる特別な存在だった。
リリカが新たに目覚めた火の魔法も、その特性の一つであった。
「リリカ、私たちは光の魔法が基本だけど、私が水を、あなたが火を使えるのは、私たちが特別な猫耳メイド魔法使いだからなんだ。あなたの新しい力も、その一部だよ」
ステラはリリカにそう伝えながら、自分が水の魔法を制御できるようになった時のことを思い出した。
初めてその力を完全に扱えた時の喜びが、リリカの姿に重なった。
「そうなんだ…。私たち、ただの光の魔法使いじゃないんだね」
リリカは自分たちの特別な存在としての役割を改めて実感した。
猫耳メイド魔法使いとして、リリカとステラは光と他の属性を組み合わせることで、その力を最大限に引き出すことができるのだ。
特訓の日々の中で、リリカはステラの助けを借りながら少しずつ火の力を制御できるようになっていった。
ステラは、リリカが集中できる環境を整えたり、火の魔法の使い方を一緒に考えたりと、全力でサポートしてくれた。
ある日の特訓中、リリカはステラのアドバイスに従い、火の力を小さく発現させる練習を繰り返していた。
何度も失敗を重ねる中で、ついに彼女は自分の火の力を完全に制御することに成功した。
「できた…!ステラ見て!やっとコントロールできたよ!」
リリカの手から放たれた火の魔法は、美しい光と炎の輝きを伴いながら、完璧に制御されていた。
その光景を見たステラは満面の笑みを浮かべ、リリカを抱きしめた。
「やったね、リリカ!絶対にできるって信じてたわ!」
リリカは感激の涙を浮かべながら、自分がついに一歩前進できたことを実感した。
この新たな力を使いこなすことは、自分が魔法使いとして成長するための大きな一歩だった。
新たな力を手に入れたリリカは、ステラと共に次のステージに向けて準備を始めた。
感謝祭での成功を超えるパフォーマンスを目指し、二人はお互いの力を引き出し合いながら練習を続けた。
「ステラ、次のステージではこの新しい魔法を使って、もっと観客を驚かせたい!」
「うん、私たちならもっと素晴らしいパフォーマンスができるよ。二人で一緒に最高のステージを作り上げよう」
リリカとステラの挑戦はまだまだ続く。新たな力を手に入れ、魔法使いとしての自覚と成長を遂げたリリカは、これからもステラと共に進化を続けていく。
次のステージで何が待ち受けているのかはわからない。それでも、二人は互いに支え合い、前を向いて歩んでいく決意を固めていた。彼女たちの物語はこれからも続き、その先にはまだ見ぬ未来が広がっている――。
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