第2話

「いってきます。」


私の家は、お父さんが税理士。

お母さんは専業主婦。


生活していくうえで

なにも困ったことはなかった。


そんな日々がずっと

続くと思っていた。


あの子が、私の人生に

関わっていくまでは。


学校のチャイムが鳴る。


私が存在していることなどないように

教室はにぎわっている。


ゆりが私を見つめた。


「おはよー!もってきてくれた?」


私が小さく顔を

横に降ると

突然髪の毛を掴まれる。


「あんたの、価値なんて金しかないんだよ?」


ゆりが笑う。


他の生徒はその、行為が当たり前かのように

助けてくれる人なんていない。


「明日にはもってきなよ、約立たず」


濡れたぞうきんが

頭の上にのった。


ああ、いつからこうなって

しまったのか

考えてもきりがない。


私の一日が、始まる。


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