第4話 報酬

「そうだ!私のおっぱい揉む?」


どういう風の吹き回しだ!


いや、童貞の俺にとってこれはまたとないチャンス。


その魅惑の胸は喉から手が出るほど欲しい。


だが、それを了承しては、俺の威厳が無くなるではないか!


いやいや、威厳とか言ってる場合じゃない、おっぱいだぞおっぱい!


そう簡単に手に入る代物じゃない。


俺にとっちゃ、メタルスライムの数倍の価値はあろう。


ぐぬぬぬ・・・。


「ま、まあ。そこまで言うなら、それで我慢しよう・・・。」


俺はその誘惑にハマってしまった。


仕方ないだろう、こんな機会、そう無いぜ?


「はい!」


エマは胸を突き出し、俺に向けてきた。


おおおお!おっぱい!!!


すんげえ色気だ。


たまんねえ。


正直、ずっとこいつを揉みしだきたいとは思っていた。


俺は両手をスッと持ち上げ、おっぱいに近づける。


ああ、もうおっぱいの熱気が手の平に伝わるほどに近い!


その瞬間!


ポイン・・・!


触れた!!!


全身に電撃が走るようになにか衝撃が伝わった。


ああ、これがおっぱいか・・・!


俺は揉みしだき、そのまま谷間に顔をうずめた。


「いやーーーん♡」


うーん・・・!


何とも言えない、フェロモンの香りがする。


「だ、旦那!

 ずるいぜそりゃあ!」


トードがうらやましがっている。


「おおおお。」


ゴンズはよくわからないがなにかうなっている。


「はーい、おしまい♡

 どうだった、私のおっぱい!」


「ああ、最高だった。」


至福のひとときだった。


俺は生涯、この瞬間を忘れることは無いだろう。


「うふふ。ツグクったら、普段はかっこつけてるけど、おっぱいがあると赤ちゃんみたいだったわよ。」


くそう。威厳もへったくれもねえ。


俺、かっこいいソブリン冒険者を目指していたのに・・・。


おっぱいソブリンとかいうあだ名は御免だぜ。


「コホン・・・。

 このことはあまり口外するなよ、エマ。」


「はーい、私たちだけの秘密ね!」


まったく、エマには調子を狂わされる。


こうして、俺たちはギルドに戻った。


そして、受付嬢に任務の完了を報告する。


「任務を完了した。

 報酬を頼む。」


「はい。報酬は2万グラナです。

 それと、おっぱい・・・クスっ。」


はああああ!!!!????


なんでおっぱい!?


なんで受付嬢がそのことを知っている!?


「お、おい!

 どういうことだエマ!

 まさか、バラしたのか!?」


「ごめんなさい、ツグク。

 実はね、依頼を受けた冒険者には、偵察カラスが付くの。

 そのカラスでね、すべての冒険者の冒険が全国中継されるのよ。

 だからね、私の胸をもみもみしたこと、全国にバレてるのよ・・・。」


おいおいおいおい!


マジかよ!


「なぜそんな大事なことを先に言わない!」


「もう知ってるかと思ってたんだけど・・・。

 ごめんなさい、てへぺろ。」


このヤロウ、舐め腐っていやがる・・・。


これで、俺のあだ名はおっぱい星人とかそんなんになるの確定だな。


俺の人生終了、かわいい子を抱く未来もさようなら。


はあ、童貞のまま、俺の人生終了かよ、マジで最悪。


「俺を一人にしてくれ。

 報酬はもうもらったんだ。

 お前らも俺には用は無いだろ。

 じゃあな。」


そう言って、俺は一人宿屋に入った。


そして、エマの胸を思い出してひとセンズリきめるのだった・・・。


---


翌朝・・・。


コンコンコン!


誰だ、こんな朝早くに・・・。


俺は眠い目をむりやりこじ開け、玄関のドアを開けた。


「ようやく見つけた!」


エマだ。


「おう、俺にはもう用は無いだろ。

 一人にしてくれと言ったはずだ。」


「実はね、そうも言っていられないのよ!

 新任務よ、オークキング討伐!」


オークキングだあ?


「そうかい、勝手にがんばれや。」


俺はもう意気消沈。


お先真っ暗の俺の冒険者人生を憂う時間くらいくれ。


「ちょっと!

 ランクを上げるチャンスなのよ!

 ここで頑張れば、モテモテよ!

 協力して!

 あんたのチカラが必要なの!」


うっとおしい・・・。


こいつ、ぐいぐい来るなあ。


はあ。でも、俺は押しには弱い。


「なんだよ、詳しく教えろ。」


「やった!

 昨日、オークたちを倒したでしょ?

 それで、オークキングが怒ったのよ!

 こういう、前回の案件が原因で引き起こった新案件はね、難易度が高くても、前回の案件をクリアした者が優遇して先に受けられるのよ。

 だからこそ、ランク上げのチャンスなの!」


ほう、そういうわけね。


「なるほど、事情は分かった。

 さっさと俺をそこに連れていけ。

 一振りで屠ってやる。」


そうして、俺たちはオークキングのもとへ向かうこととなった。



==== 作者あとがき ====


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