スキル「無限メタルスライム」により、俺だけ超速レベルアップな件

ムゲン

第1話 スキルの儀

俺はツグク。


今日は成人式だ。


成人式と言えば、スキルの儀。


スキルの儀とは、聖なる石板に手をかざすと、石板に獲得したスキルの詳細が描かれるという儀式だ。


俺は例に倣って、この儀式に参加していた・・・。


「やい、ツグク!

 おめえみたいなグズ、どうせろくなスキルもらえねえぜ!」


いつものように幼馴染のトンヌラが俺を馬鹿にしてきた。


俺はトンヌラをよそ眼に、スキルの石板に手をかざした。


ウィーン


スキルの石板に文字が印字されていく。


なになに・・・。


『スキル名:無限メタルスライム。

 スキル内容:常にメタルスライムが目の前に現れる。』


なんだよ、それ。


意味わかんねえ。


やっぱり俺なんかには変な雑魚スキルしか来ないらしい。


すると、村の長が俺のスキルを見て驚愕しているではないか。


「どうしたんです、そんなに驚いて。」


「お、お前・・・。

 なんちゅうスキルを引き当てあがった!

 これは、とんでもねえぞ!」


そうなのか?


俺はいまいち理解できずにいる。


「何がそんなにすごいんですか?」


「メタルスライムと言えばなあ、めったに人前に現れないが、倒すとあり得ないほどの経験値が手に入るんだぞ!?」


へー、そうなんだ。


俺のスキル、なんかすげえらしい。


すると・・・。


ポカーン!


変な音がしたと思ったら、俺の目の前に金属コーティングされたスライムが現れた。


「ん?なんだこいつ?」


「メ、メタルスライムだあああああ!!!」


村長が叫んだ。


すると、村の大人たちが寄ってたかってそのメタルスライムに攻撃を仕掛けた。


俺のスキルで突如発生したメタルスライムの経験値欲しさに、大人たちは死に物狂いだ。


なんか、俺のスキルで出たメタルスライムを殺されるのはしゃくだな。


俺はそのメタルスライムを全力でかばった。


だがしかし、俺はかばいに行くときに転んでしまい、メタルスライムに突進して攻撃を加えてしまった。


やっべ。


俺がメタルスライムを倒してしまったのだ。


すると・・・。


(レベルアップしました!

 レベルアップしました!

 レベルアップしました!

 レベルアップしました!

 レベルアップしました!

 レベルアップしました!

 レベルアップしました!

 レベルアップしました!

 レベルアップしました!

 レベルアップしました!)


おいおい、レベルが一気に10も上がったぞ!?


どうなっていやがる!


村長や大人たちはメタルスライムが俺に討伐されてしまったことで我に返る。


「おっと。これはすまんな。

 お前のスキルで出たメタルスライムはお前のモノのはずなのに、つい手が出てしまった。

 なにせ、1人の人間が一生に出会えるか出会えないか、それくらい珍しいんだ、メタルスライムというやつはな。」


そんな珍しいんだ・・・。


んで、こんな一気にレベルアップしちゃうし、そりゃあ喉から手が出るほどに倒したくなるわな。


「メタルスライムは俺のもんだぞ!

 手え出すなよ!」


ちょっと怖かったけど、俺はみんなにそう宣言した。


てか、10レベルアップしたから、俺は今11レベル。


村一番の腕利きの兵士よか強えぞ、俺!!!


俺がルンルン気分になっていると、次の儀式はトンヌラの番だ。


「へっ、ツグクのくせに調子に乗りあがって。

 今に見てろ、お前よりすげえスキル当ててやらあ!」


トンヌラが聖なる石板に手をかざす。


ウィーン


「なになに・・・。

 『スキル名:電撃。

  スキル内容:電撃を放つ。武器に電撃をまとうことも可能。』

 やりい!こりゃあかっけえスキルじゃねえか!

 ツグクの意味わかんねえスキルよか俺の電撃のほうがかっこいいね!」


トンヌラもまあまああたりスキルじゃねえか、面白くねえ。


すると・・・。


ポカーン!


おいおい、2体目のメタルスライムがもうお出ましだよ・・・。


すると、村長が村のみなに声をかけた。


「皆の者!このメタルスライムに手を出すことは禁じる!

 これはこのスキルを持つツグクのモノだ。

 いいな!」


ありがとう村長。


まあ、こうでも言わないと村中の人間が血眼で俺のメタルスライムを追いかけて村の秩序が無くなるからな。


そうこうしていると、トンヌラがよからぬことを言い出す。


「へへ、俺の電撃スキルがあれば、メタルスライムなんかワンパンだぜ!」


そう言うと、トンヌラは電撃をメタルスライムに飛ばした!!!


ビリビリビリ!!!


しかし!


メタルスライムには効かなかったようだ!!!


村長が説明する。


「はは、トンヌラよ。

 メタルスライムには属性攻撃は効かん。

 無属性の攻撃をすることだな。

 もっとも、そのメタルスライムはツグクのモノだ。

 手出しは禁止するぞ。」


・・・・。


あれ、トンヌラがうんともすんとも言わない。


って、おいおい。


トンヌラ、自分の電撃スキルに感電していやがる。


自分に感電する電撃スキルとか、なんて中途半端な使えねえスキルなんだ・・・。


哀れ、トンヌラ。


こうして、俺は家に帰る。


そして、俺は夜通しメタルスライム狩りをした。


翌朝・・・。


「あー、ねみい・・・。

 一睡もせず、メタルスライム狩りはさすがにきちいな。」


ウィーン


俺はスキルウィンドウを見た。


やっべええええ!!!


俺ってば、レベル20なんだが!


これ、王宮の精鋭部隊長クラスだぜ!?


一晩でこんな強くなっちゃうとか、やべえって俺のスキル!!!

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