全部間違っていた

 自然に囲まれたテラス付きの家には、小さな椅子に座り、綺麗な空を眺める二人が居た。

「綺麗だな」

 拓哉は空を眺めながら、手を空に伸ばし言う。

「そうだね」

 志保は、星をただ眺めていた。

 この自然が俺は好きだ、だけど、今日志保の気持ちを踏みにじってしまったかもしれない。

 一度振られた人をここに誘うのは間違っていたかもしれない。

 綺麗に輝く星はどこか寂しさを感じてしまう。星にもいつか終わりが来てしまう。

 昔、自由研究で星について調べた。

 星はいつも光っているが形を変えている。幾度も形を変えて輝きを放っている。だが、星は何度も形を変えることはできない。

 形を変えるのは限りがある。

 そして、形を変えることができなくなった星は、死ぬ。

 調べている時、あまりに真実に驚いたのを覚えている。

 だから、こんなに綺麗な星もいつかは終わりを迎えてしまう。

 それって悲しいことじゃないか? 俺は思ってしまった。そして絶望してしまった。終わりは必ず平等だということに。

「ねぇ、一個質問していい?」

 志保は星を眺めながら言う。

「うん」

「拓哉って雪って子と付き合ってたの?」

 そうか、知らないのか。

 俺が雪と付き合ってるって知っているのは、早百合、環奈、しか居ないのか。ため息が出そうになる。みんなに嘘を付いていたから。

 誰も俺が雪と付き合ってると思っていないし知っていない。

 成瀬も知っていない。

 ただ、みんなは俺が何故、人を殺しかけたか、だけ知っているんだ。

「うん」

「そっか」

「最近思い出したんだ」

 拓哉は語り始める。綺麗な星を眺めながら。

 俺のクズで最低な話を。

「そうなんだ」

 拓哉は全てを話した、その時どんな気持ちで雪と付き合っていたか。何故こんな性格になったか。

 志保は悲しい顔で拓哉を見つめる。

 今までの拓哉のイメージが変わってしまう。今まで積み上げて物が崩れていく。

 そう思いながら拓哉は志保の顔をただ見つめる。

「私先に戻っとくね」

 志保は立ち上がり家に入っていく。

 多分嫌われた、それもそうだよな。これが普通なんだ。俺の過去の話を聞いて一緒に居たいと思うのは俺に依存している。

 きっと早百合だって俺の話を聞いて怖いと思ったはずだ。

 俺は今の気持ちが分からない、分からない、分からない。

 少し前は、みんなを幸せにするとか考えていたのに、それも今では分からない。

 みんなを幸せにするのに俺って必要ないんじゃないか? 俺って必要なくね。

 いや、分からない、分からない。

 俺はいったい、いつからこんな気持ちになっていたんだ。

 俺は何を考えているんだ。

 分からない、分からないよ。

 俺はなんで生きているんだ。なんでこんな考えしか思い浮かばないんだ。俺はなんでここに居るんだ? なんで、なんで。

 なんでいつも読んでいるラノベの主人公は優しいのに、俺はこんな気持ちばっかりなんだ。

 落ち着くんだ、俺は現実世界で生きている人間だ、ラノベの主人公と比べるのは間違っている。

 そんな簡単に人の気持ちは変わらないんだ、俺はクズだ。

 そうだよ、俺は自分を優しいと自負して甘えてるクズなんだ。

 もう、関わるのはやめよう。

 そして拓哉は、学校を一カ月休む。



 あとがき。

 ここまで読んで分かる通り、このラブコメは普通じゃないですね。

 いいですか? 普通じゃないです。

 次の話から三部です。

 でも安心してください、一応ラブコメでやらしてもらってますので、大丈夫です。


 ここで、何故拓哉はこんなに気持ちが変わらないのか? と不思議に思っているでしょう。

 いろんな人とで出会っていく中で拓哉も気持ちは変わっています。

 いますけど、決定的な出来事が無いんですね。

 例えば、ダイエットをやろうと決めたとしても、何か決定的な理由がないとやらないと思います。そんな感じなんですよね拓哉も。

 つまり、決定的な出来事が三部にあるってことです!

 最後にここまで読んでくださっている読者様本当にありがとうございます。

 111話以上投稿していて、たまに自分の表現力のなさに泣きそうになってしまう時があります。

 けど、ここまで読んでいる人が居るから私は頑張ることができています。

 三部は期待していてください。

 書店に売っているレベルの文章力で書いてきます!

 寒くなっているので体調にはお気をつけてください。

 by sink2525

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