フルーツで一番美味しいのはイチゴだ

財布を眺めること10分たくさんあった札はどこかに消えてしまった。多分妖怪が食べたんだな、妖怪さんいまなら許すから出ておいで。今なら許すから。お願い。


 一人芝居をしていると部屋に由衣がやって来た。


「お兄ちゃん頭おかしくなった?大丈夫?」


「大丈夫だ!心配かけたな、数年ぶりに帰って来たぞ!喜べ妹よ」


「はいはい、あ、お客さん来てるよ」


「え?」


 玄関を開けると、早百合がいた。そっと玄関を閉じる。よし、妹よ出かけるぞ、じゃなきゃ大変なことになる。


 玄関がガチャと音とともに開く


「お邪魔しますね」


 「えーと助けてください。家に知らない人がいます。警察の人いますか?誰かー」


「あなたって家では騒がしいタイプなのかしら」


 「それが一番傷つくからやめて」


 なんで休日に会うと最悪な人ランキング一位の人とが目の前にいるのかは世界の誰も知らない。


「それで、なんの用なの?」


「あーあなたってイチゴ好きよね?パフェもイチゴパフェだし」


「好きだけど、もしかしてイチゴパーティーやるのかここで」


「違うよ、その、いちご狩りに行かない?」


「デートの誘いですか?」


「はい、もう行きません。さようなら」


「まって、冗談、ごめん」


「じゃ、準備してきてよ外で待っとくから」


「いや、中で待っといてくれ、外は熱いだろう」


「じゃ、お言葉に甘えて」


 俺は自分の部屋に行き、準備をした。てか、なんで俺の家を知ってるんだ。え、怖い。下に行くと妹と話をしていた。


「早百合さんは、一番好きなフルーツは何?」


「そうね、私はイチゴが一番好きかな、由衣ちゃん何が好きなのかしら?」


 「私もイチゴなんだ。一緒だね。今度さいちご狩りに行かない?お兄ちゃん抜きで」


「それ、いい案今度行きましょう」


 聞こえていたが聞こえてない振る舞いをして声をかける。


 外にでると、車が止まっていた。


「何してるの?行きましょ?」


 まずはどこから話した方がいいか。


「おい」


「はい」


 車の中は静まり返っていた。陽気な音楽だけが流れていた。


「0点」


「何が?」


「なんでもない」


 なんですかそれは、0点?もしかして今デートの振る舞いの点数を言われていた?抜き打ちテストより抜き打ちじゃん。


 いちご狩りの場所は思ったより人がいなくてすぐに中に入れた。


「ところで、早百合はイチゴ好きなの?」


「なに、その質問ありえない0点」


 厳しすぎるよ彼女。楽しめるデートか確かこの近くにフルーツ屋さんあったらしいけど、イチゴが好きなら意味ないか。


 それから、俺はイチゴに夢中になっていた。


 うま、このイチゴなんていうかイチゴじゃない。イチゴに夢中になっていたのは嘘である。だって、早百合はあれからイチゴを一個も食べていない。はあ、うそんなか付かなくてもいいのに。


「もう、帰ろう。ちょうど行きたい所がるんだよね」


「あら、私はイチゴを楽しみに来たのにあなたとのデートなんか楽しくないよ」


 この鋭さを武器にしたら大変なことになるだろう。よかったな、早百合が武器じゃなくて


 俺たちは、いちご狩りから出て近くのフルーツ屋に向かった。


「まさか、フルーツを食べた後にフルーツを食べるの?」


「そうだが、けど、俺は食べないよ。」


「え、じゃ、どうして来たの?」


「だって、早百合無理に付き合ってるんじゃん、そんなの俺も楽しくない、どっちも楽しくないのにデートとは言わないだろ」


「たまに優しいところあるのね、じゃ遠慮なく」


「まて、遠慮はしろ、おい、だめだ」


「すみません、チョコバナナのパフェとチョコパフェをください」


終わった。さようなら。てか、どんだけパファ好きなんだよ。絶対イチゴ狩りよりパフェ狩りの方がいいだろう。誰か作ってくれ。


「ふう、美味しかった」


 俺の方を見つめる。見つめ合うこと1分。


「おい、なにか言えよ」


「................」


「財布、車の中」


「いや、そんなこと?」


「え?」


「いや、俺もいちご狩りで得したし、ここは奢るよ」


「当然ね」


「おい」


 俺は会計を済ませ店をでた。そこそこな値段だったがお互いが楽しんだならまあいいだろう。


車の中はやはり静まり返っていた。


「ところでさ、部活何入るの?」


「そうね、私はまだ決めてないかな」


「そうなんだ。でも誘いたくさんくるだろ?」


 「ええ、あなたと違ってたくさん来たよ」


「それはそれは良かったですね。天使....」


 足を踏まれた。痛い、痛いよ。


「なあ、やっぱり疲れるのか?あんなたくさんの人に囲まれるの?」


「優しい私を演じるのは疲れるね。ちなみに10人だけだよ私の本当の顔を知ってるのは」


「フーン」


俺の方を見つめる。


「なんだよ」


「気にならないの?私のこと」


「気にならないって言ったら噓だけど、もっと仲が良くなったら聞くかな」


「何その発言きもい」


 なんて言えば正解なんだよ。


「送ってくれてありがとうございました。じゃあな、早百合」


「50点ね」


「50点?何が?」


「デート点」


「高い。さすがだな俺」


「あ、違うよ、奢ってくれたから50点」


「お、おい」


 もう車は走り出していた。なんだよ奢ったら50点って、二回奢れべ100点じゃないか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

容姿端麗な学園の美少女たちが何故か俺の隣にいる @sink2525

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画