第49話信玄の病。
駿府城。
「昌豊様。来てしまいました。」
「梅!」
「梅も昌豊様の力に成当ございます。」
「側にいてくれるだけで、充分だ。」
「やるーっ。昌豊!」
「うるさいなあ。夏希殿は。」
馬場が疑問に思う。
「ところで、何故お館様は撤退したんだ?」
「三河の吉田城を攻めるためだろう。」
昌景がそう言ったが、夏希は、不安に駆られていた。
翌朝、武田信玄は名だたる武将を連れて、三河の吉田城へ出陣するために、高遠城を立った。山県らへの伝令は済ませてある。
駿府城。
「皆、出陣よ!」
「武田守護神様。梅も連れてって下さい。」
「私は、男女平等、賛成だけど、昌豊は、、、。」
「後方にいるんだぞ。」
「はい!」
かくして、夏希、昌景、馬場、昌豊、梅は吉田城へ向けて出陣した。
武田信玄本隊と合流し、吉田城の城攻めへと取り囲む。
徳川家康は焦っていた。今は強大な勢力を誇る武田。打つ手がない。籠城の決意をした。
武田信玄も焦っている。己の体を蝕む得たいの知れないもの。それは、病。
徳川家康と一戦を交えるが、信玄の発病により、武田軍は撤退した。
徳川家康はラッキーな男だ。それを言うならば織田信長も。徳川家康が武田と会い交えてくれるから、織田信長は西へと専念出来るもの。この頃には、織田と武田の同盟は怪しいものとなっていた。
武田信玄は甲斐へ戻り、夏希達は、駿府城へと戻った。
躑躅が崎館。
「お館様。お体の方は?」
「大事ない。高坂。」
高坂は信玄を切なそうに見つめていた。それもそのはず、二人は恋仲なのである。上下関係の激しい戦国時代では、男と男が愛し合うのも珍しくない。
駿府城。
夏希達は、信玄の話しで持ちっきりだった。
信玄のことだから、死ぬはずないと。
皆、信玄の無事を祈るのであった。
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