第39話療養

「んっ。ここは?痛っ。」

「目覚めたか。」

「信長!私を帰して!」

「その体で?」

「うっ。」

「安心しろ。傷が癒えるまで、岐阜城におるが良い。」


一方。

「夏希を探しに行く!」

「ちょっと待て!吹雪いてきた。お前が凍死したら、話しにならん。夏希殿は武田守護神だ。きっと大丈夫だ。」

「くっ。」

昌景は、己の無力さを感じていた。出来ることなら、己の命を投げ打ってでも、夏希を探しに行きたい。しかし、赤備えの隊長としてはそれは許されない。昌景は、夏希を信じることにした。


岐阜城。


「異世界から来たからって、何で私なのよ!」

「そちが言った。愛し合っている者同士。」

「私は、愛してない!」

「俺は、愛してる。そち以外考えられない。そちもその内、俺のことを愛すだろう。」

(自信家っ。)

「それは、ないわ!」

「昌景か?」

「そうよ!昌景以外考えられない!」

「昌景は、異世界を見たことがあるのか?」

「私の部屋をちょっとだけ。」

「昌景は、果報者だ。俺も行ってみたいなあ。」

(また、少年のような顔してる。そんな顔されると困る。)


一人の医女が来た。

「信長様。療養食です。」

「ご苦労であった。」


信長がさじを持ち、療養食を夏希に食べさせようとする。

「自分で食べれます!痛っ。」

「素直にいうこと聞け。」

夏希は、不覚にも信長の世話になる。




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