第2話戦国ゲームの中へ

「夏希!毎日、毎日、学校から帰って来たら、ゲームばっかしてないで、ちょっとは勉強しなさい!もうすぐテストでしょ!」

「はあい。お母さん。」

千原夏希せんばらなつき高校二年生、17才。女だけど、戦国時代が大好き。中でも武田四天王の山県昌景やまがたまさかげに一番憧れている。部屋着といったら、風林火山のT-シャツに短パン。

夏希は、器用にもゲームをしながら、日本史の教科書を片手に平安、鎌倉かぁと面倒くさそうに勉強している。

さっきから、テレビが光ってるのに、夏希は気づいていない。気づいた時には既に遅し。

「ひっ光ってる!かっ体が吸い込まれるー!キャーーーーッ!」  

気づいたら、夏希は見たこともない景色に驚いた。

「何者だ!」

「だっ誰?」

「武田軍家臣、山県昌景だ。」

「ゲームの山県昌景と同じ顔してる。」

「何を訳の分からんことを。怪しい者ではないな。奇妙だが、風林火山の衣をきておる。」

夏希は、混乱している。

「私、ゲームの中に入ってしまったの?それともタイムスリップ?」

「その本はなんだ。」

「教科書。日本史の、、、。」

夏希は教科書を開いて驚いた。

「戦国時代から真っ白になってる!やっぱりタイムスリップ?」

「どうした?昌景。」

「お館様。奇妙な出で立ちをしているが、風林火山の衣も身につけているので、怪しい者ではないかと。」

「天から舞い降りてくるおなご、我が武田軍の守護神となる。そなたはそのおなごだな。」

そんな伝説、聞いたこともない。

「やっぱり、ゲーム。」

「躑躅が崎館に参ろう。」

「あなたは?」

武田信玄たけだしんげんじゃ。」

夏希はやっぱりと頷いた。

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