世界の平和の為に…

カニ様

第1話 霊神皇

「…能力解放、◯◯、………◯◯◯。」


“数時間前”



輝かしい朝日がカーテンを突き抜け俺を照らす。


その朝日が俺を起こし、今日が俺が待ち続けた

あの日だという事を知らせる。


「…朝か。」


そう言葉を零し、2階の寝室から1階のリビングへ向かう。


「お前ら、もう起きてたのか。」


そう言葉を誰に向けて紡いだか…。それは、

家族では無く、共にこの寮で過ごしている仲間だ。


「やっと起きた?もう全員分の朝ごはん出来てるから、食べよ?」


「お!今日は目玉焼きか!美味そう〜」


「本当、毎日美味しい料理、ありがとな。」


「早く来いよ、皆待ってるぞ。蓮華!!」


そうして席に着き、全員で言葉を紡ぐ。


「…いただきます。」


そうして寮を出る時間になった。



「お前ら、行くぞ。」


寮を出て、今日から通う事になる学園への道を

全員で歩き始めた。


「蓮華、今日から学園だけどどうだ?」


「そういうのを愚問って言うんだぞ、焔。」


「それはつまり…?」


「自信しかねぇよ。俺が最強だからな。」



…不知火焔、寮で一緒に過ごしている1人だ。



「っはは!蓮華はやっぱ自信すげぇな!」


「男は自信過剰位が丁度良いんだよ!遥。」


「そりゃそうだな!」



…早乙女遥、こいつも寮で共に過ごしている1人だ。



「朝っぱらから騒がしい奴らだ。」


「ほんとは要も一緒に騒ぎたいんだろ?」


「……。」


「図星か。」



…伊織要、こいつも寮生活を共に過ごしている1人だ。



「4人とも、学園が見えてきたよ。」


「早いな。」


「皆盛り上がってたからね。だからだよ。」



…小鳥遊華恋、寮唯一の女子である。



そうして、学園の門の前まで辿り着いた。


そして、俺達は学園の門の先に進んだ。



学園に入り、見えた光景に目を見開いた。


何故か…。それは、執行官の1人。


霊神皇 暦“こよみ”がいたから。



“執行官” それは、世界の平和を脅かす破者達を

倒す為に誕生した、秩序の陽の構成員。


そして、秩序の陽の幹部には各々二つ名がある。


目の前にいたのは、秩序の陽…幹部4人の内1人


霊神皇“暦”だったから。



次の瞬間、霊神皇は俺達の元に歩き出して、

言葉を紡ぎ始めた。


「君達、緊張しないで。すぐ終わるから。」



そう言って、霊神皇は次の刹那には俺の眼前にいた。


「うんうん。良いね、君達合格!」


「…?どうゆう事…ですか?」


「君は確か、蓮華君だったかな。まぁ後で説明されると思うよ?だから安心しててね!」



そう言って、霊神皇は俺達から離れて、学園から立ち去ろうとした…瞬間。



俺達の目の前に何かが落ちて来た。


落ちてきた衝撃でで辺りには土煙が広がっていて、視界が塞がれていた。


数秒後、土煙が晴れて見えた光景は


男が、俺達の事を見ていた瞬間だった。


俺はそいつに向けて言葉を放つ。



「あんた、大丈夫か?」


「心配ありがとう。でも、大丈夫だ。」


そこから沈黙が続き、次の瞬間…。


霊神皇が口を開いた。



「君達、あいつは破者だ。」


「…!」


その言葉を聞いた男がニヤっと笑い、俺達の懐に潜り込んだ。


次の瞬間、俺目掛けてナイフが振られる。


その攻撃を間一髪で避け、男の方を見ると男は言葉を紡いでいた。


「はぁあ、こんなすぐバレるなんてついてないな。まぁ殺すからいいか。」


そうして再び男の攻撃が始まった。


その攻撃の全ては俺達を狙っていて…、

霊神皇は狙われていなかった。


「霊神皇!なんで傍観してるだけなんだ!

俺達は戦えない!能力使用の許可がないと執行官以外は戦えないんだぞ!あんたも協力してくれ!」


「ごめんね君達、それは無理なんだ。…僕は今本体じゃない。霊体で来てるから僕からは触れられないし、相手からも触れられない状態なんだ。」


「それならせめて、能力使用の許可をくれ!」


「う〜ん、この状況なら仕方ないか…。」


そうして、霊神皇は言葉を紡いだ。



「…霊神皇、暦の名において。能力の使用を…

許可しよう。」


次の瞬間俺達は言葉を紡いだ。


蓮華「能力解放、複製!」


華恋「能力解放、恋情!」


遥「能力解放、賭博!」


要「能力解放、強奪!」


焔「能力解放、火焔!」


と…。

















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