タイトル未定

　寒さがあたしの耳を刺して、季節は冬になった。少し前までは、鬱陶しいくらいに暑かったのに、気づけば秋など無かったかのように、寒さが吹いている。あたしは今高校二年生で、来年には、高校三年生になる。周りの大人が口酸っぱく、そろそろ進路を考えなさい。と、言って来るけれど、いまいちピンとこない。　大人になる自分のビジョンがどうしても浮かばなくて、私はいまだにひとり何処かに取り残されているような気持ちになる。大人になるってどんなことなのだろうか。。お酒が飲めるようになったら？独り立ちができたら？誰かを養うことができるようになったら？どうしても大人の定義がわからなくて、将来のビジョンも自分のこともわからなくなってくる。大人になるってどういうこと、？そんな疑問が不意に頭に浮かんでしばらく離れることはなかった。　　　　

　毎朝バスからバスへと乗り継ぎ、学校へ行く毎日も二年目となりあたしの日常になった。バス停に着き、さっき自販機で買ったホットレモンティーの蓋を開け一口飲もうとすると、「そら、もう冬だよ、、、」とああたしに向けて茶髪のロングの女子生徒が呟いてきた。あたしはそれに対して「早いなあ、今日の朝布団から出れんかったしなあ」と今日の朝のことを思い出しながら呟いて、一口暖かいそれを飲んだ。茶髪の女子生徒は「それな！！寒すぎでしょ、わけわかーんなーい」「でも、うちら冬好きだしね」