今がどんなに辛くても
みるもノ日記
第1話
いつか君が僕の前から突然消えたら僕のいた世界も終わる。と言われたことがある。
それは辺り一面色のない灰色でつまらない世界。僕らはいつか死ぬ。では何故ひとは生きるという選択を選び続けているのだろうか。人々は自分の人生を終える時に何か生きた証を残すことを夢見て生きている。死ぬという選択からは逃れることができない。そんな中、人々は逆らうことの出来ない運命に抗う唯一の方法がこの世界に自分が生きた証が消えないように生きる事なのだと思う。証は、人によって様々で歴史に残るような大きな功績を残す人や、子供を産み、後の世代に伝えていく人。まだ証は残せていないが平凡な毎日を変えようと変化を求める人。沢山いると思う。誰も自分がいつ死ぬかなんてわからない。それが目の前まで迫ってくるまでは。それが例えいくら残酷な終わりかただとしても。後悔なく行きたいなんて理想を人々は語るかもしれない。後悔なく行きたい、こうやって死にたい。など理想を語るのは簡単だが、何の後悔なく死ねる人は少ないのかも知れない。きっとそれが愛する人、家族を残して旅立つならもっと。馬鹿じゃないか。と思った。あなたはこの子が大きくなることを知らない。一人壊れた時計の針の上に置いていかれたように。あなたのいない未知の世界なんて見たくない。生きていたくもない。と思った。写真に写るあなたは生前君の口癖だった「心配すんな。俺が守ったるから」て言いそうな顔で幸せそうに笑ってる。「嘘付き。守るって言ったじゃん。私これからどうすればいいの?」と毎日毎日心の中で叫びつづけた。「どこにいるの?あなたの仕事はまだあるよ」あなたの娘はあなたを知らないまま、あなたという人肌に触れないまま大人になります。この当たり前の日常がずっと続くと思っていた。終わるなんて考えてもいなかった。どうして神様は私から君という1番大切なものを奪うのだろう。それも突然に。神様は私が見ている世界から彼という色を奪った。その世界は、色褪せており、何を見ても何を食べても何も感じない。私から絶望以外の全ての感情を奪った。もうどうでも良かった。現実だと分かっていても何も考えずただ時の流れに任せてずっとそれが夢だと信じていたかった。私今日であなたの年を超えちゃうよ。鏡に写った私はあなたが好きだった私とはかけ離れていて白髪も増え、やつれていた。そんな時に何も分かっていないこの子は、あなたの写真を見て笑っている。私が泣いているのを見て、いつの間に覚えたハイハイをしてハンカチを持ってきてくれた。「だいどぅぶ?泣かないで。おばけがいたら〇〇が守ってあげる」
残された側はどんなに辛くて悲しいことが起きてもどん底から立ち上がり生きていかなければならない。生きる意味をその時は、見出せなかったとしても。時間なんていくら願っても止まってくれないし、平然な顔して進み続ける。だから私はあなたが生きれなかった未来、生きた証を無駄にしないよう、あなたがこの世に生きたという証を残す為、この子を育て生きていこうと天国のあなたに誓った
今がどんなに辛くても みるもノ日記 @SHIzukae
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます