第一章 早速 HAPPY HAPPY WEDDING ~それじゃ、お幸せに、どうぞ♪~

第1話

もう、結婚式まで後ちょっと……。


厳かになる予定だった結婚式は、波乱の予感しかしない。


でも、そもそもだ。


新婦二人がそれぞれ身重で、しつこい様だが『厳かに』に『身内だけのごくこじんまり』って話だったのに。


どこまで、話が広がるんだ。


『責任者を出せ!!』と言いたくなる様な、毎日に奔走しながら、巻き込まれて行く。



人類は、世界規模の感染症パニックに陥って行き、辛い決断を強いられていく。


でも、人生で一番辛い事って『一体何?』


そう自問自答した時が、どうか、これからじゃない日々にして行きたい。


私はそう願った。



どうしても、やり通したい。


柄にもなく、私の様な『地味で根暗で残念な私』が守りたいなんて、思っちゃう人たちの為に。



私はもう、戻らない。



新しい人生を、生きていく。


両親や過去のしがらみはすべて捨て去って。



この世界で、生きていく。



例え世界が、未曾有の混乱と恐慌に見舞われて、営業自粛に追い込まれ、職業差別に遭おうと。


自粛生活で混迷する地元の問題に巻き込まれようと。


仲の良い知人・親戚とガチで衝突する事になろうと。



今まで、大概の修羅場を経験して来たのは無駄じゃなかった。


そう思って乗り越えられる程度の苦難しか、神様は、この期に及んで、まさかねえ?



あぁ、神様、お願いします。


私の折角の結婚生活、あんまりかき乱さないで下さい。


わりと、切実に。





さて。


一万円札のガラスの靴でシンデレラになった私の前代未聞のアフターストーリーが、始まるらしい。


『はちみつレモンがあれば、どんな人生でも、構わない』とのたまっていたが、いまや、そんな生ぬるい御託は通用しない。






「セイ。もう、お前は関わるな。 これは、俺の問題だ。 お前まで面倒見切れねえ」


「もう、遅いよ。 そもそも、ソウより、根深いのが、私だよ。 ソウが肩代わりしようとしているのが嫌だ! 沈むなら、ソウこそ降りなよ」





人間、生きてれば、絶対絶命だったり、万事休すって、絶望する時は1度と言わず、あるもんだ。


人間良い時もあれば、悪い時もある。



ただ、私はその狭間で、大事な物を失いたくなかった――――。





もうすぐ、始まりの夜が明けて。


未知の明日が始まる。


深い眠りから目覚めたら、2020年2月21日。


結婚式まで、後、もうわずか……。



選り抜きダイジェスト  『Night Drive×酩酊×命題=眠れない夜』 


https://maho.jp/works/15591074771452834292#15591074771453362183

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