神埼 静流の結婚 ※キルラバ スピンオフ
藤 慶
表紙
泣く子も黙るヤクザの組長、神埼静流の物語。
超絶ホラーなヤクザの若頭。
将来、自分の息子にまで、サイコパス呼ばわりされちゃいます。
そんな彼ですが!!
人並みにトモダチを作り、人並みに恋人を作り、結婚し、コドモを授かるに至る青春時代があった訳です。
ただそれが、全て普通じゃなかっただけで……。
私、この物語のヒロインである神埼亜希は、地味で普通。
人並程長生き出来なかったけど、『しずさん』貴方に逢えて、可愛い息子を二人も産めて、たくさんの人達と力を合わせて生きたこの人生を誇りに思うよ。
ありがとう。
最後に「泣いて良いよ」って言ったけど、『しずさん』泣いてくれたよね?
私は、貴方に泣いて欲しかった。
『神埼 静流』を知っている人も、知らない人も、この物語で、心行くまで、この作品のヒロインが愛した『神埼 静流』こと『しず』の軌跡をご覧下さい。
『貴方の心の『若頭』の殿堂入りを目指します!』
(ちなみに最後は勿論組長になるのですが、この作品内では諸事情により組長になる以前の話しか致しません)
出会いは突然だった。
季節は秋だったのに、雪山から降りて来たの?
そう思わせる位冷たい眼差しで見られているのに気づいた時、私は雪の王者『イエティ』の様な男の人だと思った。
「おい、お前」
「はい。何でしょうお客様」
「バイトを辞めるのを、辞めろ」
「は!!このお店、今日で閉店です。移転するんです、遠くに。だから、辞めるの辞められません」
艶々の綺麗な黒髪、白い肌。
長身大柄には似つかわしくない端正な顔立ち。
だから余計に、凍り付く様な冷たい感じと、王者の様な傲慢さを表現するのに『イエティ』が殊更似合って感じられた。
「そうか。じゃぁ、話は早い。黙って俺のものになれ。そしたら、好きなだけ贅沢させてやる。好きなだけ、カネを使え。望むなら、セレブな暮らしをさせてやる」
「えっ、困ります! セレブ、興味ありませんから。 あの私、高校生! 17歳なったばっかです。大人がコドモと付き合ったら……犯罪になるって知ってます?」
雪山から降りて来たばかりで、頭が正常に回ってないのかしら。
私、お弁当屋でバイトする高校生だよ。
人身売買される程、両親は貧乏だけど、おカネに困ってないし。
私だって、そこまで追い詰められちゃいない。
「あぁ、常識だ。安心しろ、俺も17だ、もうすぐ18になる」
嘘、学生?
本当かな……。
二十歳過ぎに見えますけど。
指摘したら、『老けてる』って激怒されたら怖いから言わないけど。
「……あの……そもそも」
「何だ?」
「嫌なんですけど!!」
「分かった。さっきも言った。黙れ、と」
「嫌です」
「良いから黙って俺のものになれ」
高校生にして都内一の実力を誇る極道の若頭をしている
サイコパスな冷酷若頭 神埼 静流
×
幼少の頃のトラウマを抱えながらも必死にそれを隠して生きる
一途で健気なおっとりヒロイン 田川 亜希
そんな二人の10年愛の物語(色んな意味で)
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↑
毛虫さん事、@masso421様よりご提供いただきました。
孤独/巻き込まれ/独占欲/クール/独占欲/イケメン
作中で、血の描写や暴力表現や性的表現があります。
加えて、殺人や反社会勢力等の描写や介入もありますが、決してそれらの行為を賛美・奨励するものではありません。
苦手な方はご遠慮下さい。
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