第4話

「盛大に誤解している。否、ちょっと当たってるけど…」


「説明してみ」



何故か照れ臭げな一也に失笑する。




「久~しぶりに、恋……に近い感情。エモいって思える奴に会えたの。でも、ソウと取り合ってない。そして、その女の子には相手にもしても貰えなかったの」


「珍しいね。たいていの女子は、一也の誘いを断らないのに?」


「相手が、従兄のユキだったんだ」


「あぁ。あの妖精みたいなイケメンか。せめて、ソウだったら母性本能で女心をくすぐれば、勝てたかも知れないけど、相手が悪いわ」


「……だからさ。麗、俺の事、慰めて」



私は苦笑いで、隣に座るカズヤの頭を撫でてあげた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る