第3話

優しい姉がいた。


綺麗だった。


辛抱強かった。


私の面倒をよく見てくれた。




仕事でお母さんが居なくても、いつも一緒に居てくれた。




姉自身は、長く夜遅くまで一人ぼっちの幼少時代を過ごしていたにも関わらず――――――――。








「何だ。頭の上から足の爪先まで、人間の女じゃないか?」





幼い頃の幻想から現実に引き戻されて、吐き気がした。




何の部屋かは知らない。




けどだ。




人を部屋へ連れ込んで、だ。



電気も付けず服も脱がさず抵抗しないからって、好き勝手に抱いて。


満足したら、部屋の灯りを点け、全裸にして。


今更、言うか、そんな事?




「それは不満? 本気で言っているなら、病院行ったら?」





今更、泣きわめいたりしない。



カネの為以外なら、もう何度も、望みもしないのに『捩じ込まれる様なコト』平気でされて来た。





「いんや。今、俺最高の気分。だって、さすがに蛇だったら萎えるだろ」



言ってろ、バーカ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る