第14話 君じゃない誰か
香子が「あれ?道成居たの?」とふっと寝て居たらテーブルから顔を上げた。
道成が「ん?居たけど、全然ノックをしても起きないんだもん。さすがに家に上がったよ」と笑って話をした。
野乃が来て「全く、2人は仲良しね?そんなに仲良かったら付き合っちゃえばいいのに」とワザと笑って見せた。
道成が「冗談がきついよ。何でそんな事をサラッと言えるのよ」とジュースが気道に入ってケホケホ咳をして居た。
その時にピンポンと家のチャイムが鳴って、香子が「はーい。どなた?」と玄関を開けた。
すると、高子が急に飛び出してきて「ちょっと、邦宏何処に居るのよ?」と大きな声を上げて、香子達の家を我者顔で入って来た。
野乃が「そんなに大きな声を出してどうしたの?」と高子に尋ねた。
高子が「だってさ、邦宏がどこにも居ないの。探して居るのに」とプンプン怒っている様子で此方を見ていた。
香子が「じゃ、私が見て来るよ」と高子に一言を残し、公園へと向かった。
公園の噴水のベンチに座って、何やら邦宏がブツブツと文句を言っていた。
香子が「どうしたのよ?一体何が有ったの?」と邦宏に高子の事で聞いた。
邦宏が「アイツは俺よりも他の男の方にちょっかい出されて、俺よりも他の男の方が良いんじゃないかって思っていてな」と疑問に思って居ることを口にした。
香子が「そう。そんな事が有ったのね」と何故か残念そうな様子で話し掛けた。
邦宏が「ったく、アイツの顔を見るとむしゃくしゃするんだよ」と怒った顔を見せた。
ただしが「うっ、何でこんな所に?」と邦宏を見て、怯えていた。
邦宏が「お前だろう?俺の彼女にちょっかい出して居たのは?」と急にただしに手を上げようとした。
ただしが「ごめん。君の彼女だと思わなくてちょっかいを出しました。ごめんなさい」と邦宏にその場で土下座をした。
邦宏が「分かればよろしい」とただしを掴んでいた手を離した。
ただしが「ふん、そんな事か?君が、彼女さんにちょっかいを出さないように目を離さなければ良かったのに」と急に開き直った。
そして、ただしはその場を立ち去って行った。
香子が続けて「そうかもしれないね?ただし君の言う通り、邦宏が目を離さなければ、こんな事にはならなかったと思うよ」と邦宏に率直な意見を述べた。
邦宏が「そうか?そうかもしれないな」と今までの一部始終の行動を振り返って反省をした。
そこへ高子が来て「あら、こんな所に居たの?」と邦宏に向かって返事を返した。
香子が「そうみたいで、実は邦宏が高子の事でちょっかいを出していた、ただし君に会ってさっきまでただし君に手を上げようとして居たの」と一部始終の状況を高子に伝えた。
高子が「そうなんだ。私、そんな邦宏の気持ちを分からなかったな」と邦宏の気持ちを汲み取った。
邦宏が「そういう事で、ましてや誰かに高子の事をとられたくなくて、こんな俺だけど、またやり直してくれないか?」と高子にお願いをした。
高子が「良いよ。その代わり、私の事をこれからは絶対に離さないでね」と邦宏に返事を返した。
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