第12話 そして
高子が「あぁ、面白くねぇな」と空を眺めていた。
その隣からチラシが風に揺れて顔に飛んできた。
高子が「あぁ、占いか?行って見ようかな」とチラシを見て目を輝かせていた。
占いしょうこと言う名前で高子が「あれ?ここかしら。ちょっと行って見よう」と少しワクワクしながら占いの館に入って行った。
しょうこが「いらっしゃいませ。どんなことを占いますか?」と水晶をテーブルに置いて手を構えた。
高子が「あの。私どうしても気になる事が有りまして、どうしたら私の気になって居る人を振り向かせられますか?」としょうこに尋ねた。
しょうこが「そうですね。名前のイニシャルで言うとMさんですね?」と高子の返事に答えた。
高子が「はい、そうです。私の気になって居る人」としょうこに必死に訴えた。
しょうこは「その方は、あなたには振り向いて居ない様です。あなたを知っている女性の事が好きなようですね」と話し掛けた。
高子は「それは誰ですか?」としょうこに尋ねると、しょうこは「それ以上はお答えできません。それ以上をお求めなら、お金を頂きます」と高子に断りを入れた。
高子が「そんな・・・、まさかお金を支払うなんて聞いて居ませんよ」と取り乱した。
しょうこが「それは私にも生活がありますし、そういう事は占う事に当たってお金は必要なんです。それを分かって占いに来て下さったんでしょう?」と高子にきつく当たった。
高子は「分かりました。もう、良いですよ」とはっきりとしょうこに占いを断った。
しょうこは「何ていうお客さんなのかしら?酷い客ね。占いにはお金が必要だって言うのに」と高子にムッとして愚痴を吐いた。
高子が「あの占い師インチキね。お金が全てだと思って居るわね?でも私の事を知って居る人って、もしかして香子じゃない?」と香子に驚きを隠せなかった。
香子が「野乃。今日新しいCD屋さんが出来たんだけど一緒に行って見ない?」と野乃に声を掛けたときに誰かとぶつかった。
その女性は「あら、ごめんなさい」とすぐさま声を掛けて去ってしまった。
野乃が「あれ、高子さんだよね?何でわざとぶつかるようなことをしたんだろうね」と野乃が高子の後ろ姿を見ていた。
高子は「何で、あんな子を好きなの?私の方が絶対魅力的なのに」と野乃や香子を見て暗いどす黒い気持ちが高子を覆(おお)っていた。
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