第10話  あの日の空

香子が「野乃、あの人は?」と声を掛けた。

野乃が「え?あぁ、あの人って邦宏さん?」と話し掛けた。

邦宏が「俺の事、呼んだ?」と聞き返した。 

香子が「呼んでませんよ。噂をすれば何とやら」と声を掛けた。 

道成が「兄ちゃん、こんな所に?どうして?」と邦宏を見てびっくりして居た。

邦宏が「道成。お前さ?どうして、こんな所で、野乃と香子に話して居るんだよ?俺を差し置いて」と悔しそうな顔をした。

道成が「兄ちゃんだからって俺に逆らえる訳がないだろう?誰と話そうと俺の勝手じゃんか」と邦宏に向かって偉そうな口を聞いた。

邦宏が「まぁ、良いけど。俺もこれからは仲間に入れてくれよ」と道成達に話し掛けた。 

香子が「仲間に入れてくれって言われてもなぁ?」と苦笑いを浮かべた。

野乃が「え?何それ?私達、別に何一つ面白い事を言って無いんだけど」と邦宏に声を掛けた。

邦宏が「え?それは、すみませんでした。俺、彼女が欲しいんだよね?」と野乃や香子を見て居た。

高子が「あれ?皆で何をやって居るの?」と邦宏達に話し掛けた。

邦宏が「何って、今俺が彼女欲しいんだって話をして居ただけだよな?」と皆に視線を戻した。

道成が「兄ちゃん。皆引いてるよ」と邦宏に返事を返した。

邦宏が「ははは。ごめんな?俺は、人の気持ちを汲むのが苦手でさ?」と苦笑いをした。

高子が「じゃ、彼女なんて出来ないじゃん」と邦宏に冷たく言い放った。

道成が「おいおい。そんな事を言ったら、兄ちゃんが悲しむだろう」と高子に返事をした。

高子が「だって、道成のお兄ちゃんが男らしく無いんだもん。もっと男らしいと思って居たのにつまらない」と邦宏を見て道成の返事に答えた。

香子が「ま、良いんじゃない。それも何だか不器用で可愛い所だと思えば、可愛いもんよ」と邦宏の肩を持った。

邦宏が「香子ちゃん、優しいんだね?どっかの誰かとは全然違う」と高子を見て素直に発言した。

高子が「何よ?そんなに言うなら、私がわがままだって言いたい訳?」とムッとした顔をして居た。

野乃が「まぁまぁ、そんなに揉めないでさ?もっと仲良くやりましょうよ」と高子と邦宏を宥めた。

邦宏は「ふん、こんな奴と仲良くできる訳が無いよ」と野乃に気持ちを伝えた。

高子も「そうよ。こんな奴と私も仲良く出来ないわ」とムッとした顔をして教室を出て行った。

道成が「待てよ?高子」と高子の後を追って行った。

高子が「ふん、何であんなのがお兄ちゃんなのよ」と邦宏に対して納得いかない様子を見せた。

道成が「しょうがないだろう?あれが俺の兄ちゃんなんだからさ」と高子に話し掛けた。

高子は「まぁ、良いわ。私には、道成が居るから全然平気だし」と道成の胸に身体を寄せた。

道成が「おい、誰か見てるかも知れないだろう」と辺りを見回していると、そこには香子が立って居た。

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